2025 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.3 鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝

日程 2025.08.03
サーキット 鈴加サーキット (三重県)
ライダー グレッグ・ブラック / ダン・リンフット / 渥美 心
予選 7位
本戦 3位

YOSHIMURA SERT MOTUL が鈴鹿で表彰台獲得、チャンピオンシップでは総合4位に!

YOSHIMURA SERT MOTULは「鈴鹿8時間耐久ロードレース」で3位表彰台を獲得。猛暑と多くのクラッシュが相次ぐ過酷なレースの中、FIM世界耐久選手権のフル参戦チームとしては最上位の成績を収めた。

今年の鈴鹿8耐には55チームが参戦し、午前11時30分(現地時間)、灼熱の中でスタートが切られた。7番グリッドからのスタートとなったグレッグ・ブラック選手は今回も期待通りの抜群のスタートダッシュを見せ、1コーナーではポールポジションのマシンに次ぐ2番手に浮上。世界チャンピオンマシン・スズキGSX-R1000Rの実力を存分に発揮した。この見事なスタートから、YOSHIMURA SERT MOTULのライダーたちは、レース序盤に潜む数々のリスクを回避しながら、徐々にハイペースの走りに持ち込んだ。

1時間を経過した時点で6番手につけ、その後ダン・リンフット選手がマシンを引き継いでさらに順位を上げていく。スティント開始直後、わずかなミスにより転倒してしまったが、幸いにもマシンに大きなダメージはなく、レースを続行。厳しい展開となったものの、チーム全員が団結してチャンピオンシップの最大ポイント獲得を目指した。

渥美心選手も安定した走行を見せ、3時間を経過した時点でチームは暫定4位に浮上。コース上での速さに加え、ピット作業でも素早い給油とミスのないオペレーションで着実に順位をキープし続けた。そして、レース中盤には再びトップ3に返り咲いた。

終盤、ダン・リンフット選手が最後のスティントを担当する中、他チームのクラッシュによりセーフティカーが導入され、順位争いは再び激化。特に3位争いは、レース序盤から激しく競り合ってきたライバルチームとの白熱したバトルとなった。しかし、最後はYOSHIMURA SERT MOTULが接戦を制し、日が沈むサーキットでフィニッシュラインを3位で通過。チームにとって、鈴鹿で2年連続となる表彰台を獲得した。

加藤陽平 チームディレクター
ダンは最初のスティントで転倒してしまいましたが、あの猛暑の中ではそういったミスも想定内でした。多くのライダーがミスをしており、苦戦しているチームも多く見受けられました。転倒後も私たちは集中力を切らさず、挽回を目指しました。燃費の良さを活かすという戦略もうまく機能しましたし、最後の3〜4スティントではライダーたちが素晴らしいラップタイムを記録してくれました。この鈴鹿で、私たちのパフォーマンスをしっかりと示すことができましたし、今回の結果はその努力にふさわしいものだったと思います。

ダミアン・ソルニエ チームマネージャー
レースのスタートは順調でしたが、ダンの転倒によって少し難しい展開になりました。その後は、マシンを上位に戻すために、素早く、そして粘り強く対応する必要がありました。レース戦略は非常にうまく機能し、チーム全体の結束力によって着実に順位を上げ、最終的に鈴鹿で再び表彰台に戻ることができました。本当に素晴らしいことです!いま私たちは、ヨシムラとSERTを結びつける素晴らしい歴史に、新たな1ページを刻んでいます。レースごとに力を積み重ねながら、確かな歩みを続けています。こうした瞬間は、本当に特別なものです。

グレッグ・ブラック 選手 [ライダーブルー]
私たちにとって、3位という結果はほとんど勝利に等しいものです。ここ鈴鹿でポイントを獲得することは非常に重要でした。チームメイトたちはレース中に素晴らしい走りを見せてくれましたし、ご存知の通り、この場所はとても過酷な暑さです。チームもピット作業で本当に素晴らしい仕事をしてくれました。この結果にはとても満足していますし、スーパーバイクやMotoGPのライダーたちと同じトラックで走ることができたのは光栄です。それは、今日の耐久レースがどれほど高いレベルの戦いであるかを示していると思います。

ダン・リンフット 選手 [ライダーイエロー]
MotoGPやスーパーバイクのライダーたちと同じトラックを走れるなんて、本当に信じられない気持ちです。レースについては、僕にとって序盤はかなり波乱の展開でした。もちろん、コンディションはとても厳しかったですが、チームメイトたちは速かったですし、チームも素晴らしい仕事をしてくれました。その後は一切ミスなく走り切ることができました。そして最後のスティントでは、表彰台を獲得するために全力を尽くしました。この鈴鹿での3位という結果は、シーズン序盤から多くのトラブルを抱えてきた僕たちチームにとって、本当に素晴らしいものです。心から嬉しく思いますし、また来年ここに戻ってきて、もう一度この舞台で戦いたいです。

渥美 心 選手 [ライダーレッド]
チームを表彰台に導くことができて、本当に嬉しく思います。全力を尽くしました。このレースは非常に体力的に厳しく、終盤は自分の思うような走りができない部分もありました。そんな中、ダンが最後のスティントを担当してくれて、本当に感謝しています。彼は素晴らしい走りを見せてくれましたし、昨年と同じように再び表彰台を獲得することができました。本当に素晴らしい結果です。これからボルドールに向けて本格的な準備に入ります。ボルドール優勝とシリーズチャンピオンの両方を狙っていきます。

Qualifying

positionTeamMachineBest Lap
1Honda HRCHonda CBR1000RR-R SP02:04.290
2YAMAHA RACING TEAMYamaha YZF-R102:04.316
3AutoRace Ube Racing TeamBMW M1000RR02:05.001
4SDG Team HARC-PRO.HondaHonda CBR1000RR-R02:05.477
5BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM BMW M1000RR02:05.508
6YART – YAMAHAYamaha YZF-R102:05.729
7YOSHIMURA SERT MOTULSuzuki GSX-R1000R02:06.247
8SDG-DUCATI Team KAGAYAMADucati Panigale V4 R02:06.323
9TeamATJ with docomo BusinessHonda CBR1000RR-R SP02:06.331
10Astemo Pro Honda SI RacingHonda CBR1000RR-R02:06.581

Final

positionTeamMachineLapsPoints
1Honda HRCHonda CBR1000RR-R SP21730
2YAMAHA RACING TEAMYamaha YZF-R121724
3YOSHIMURA SERT MOTULSuzuki GSX-R1000R21621
4SDG Team HARC-PRO.HondaHonda CBR1000RR-R21619
5BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM BMW M1000RR21517
6AutoRace Ube Racing TeamBMW M1000RR21415
7TeamATJ with docomo BusinessHonda CBR1000RR-R SP21414
8Kawasaki Webike TrickstarKawasaki ZX-10R21313
9Elf Marc VDS Racing Team / KM99Yamaha YZF-R121312
10Honda Asia-Dream Racing with AstemoHonda CBR1000RR-R21311

Ranking

positionTeamMachinePoints
1YART – YAMAHAYamaha YZF-R188
2BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM BMW M1000RR87
3Kawasaki Webike TrickstarKawasaki ZX-10R83
4YOSHIMURA SERT MOTULSuzuki GSX-R1000R73
5ERC Endurance #6BMW M1000RR68
6F.C.C. TSR Honda FranceHonda CBR1000RR-R58
7MAXXESS BY BMRT 3DKawasaki ZX-10R40
8Elf Marc VDS Racing Team / KM99Yamaha YZF-R137
9Team Bolliger Switzerland#8Kawasaki ZX-10R35
10Motobox Kremer Racing #65Yamaha YZF-R128

YOSHIMURA SERT MOTULは第3戦鈴鹿8時間耐久レースを合計73ポイントで終え、選手権争いに再び名乗りを上げました。現在、チームはランキング4位に位置しています。2025年のFIM世界耐久選手権タイトルは、9月18日から21日にフランス・ル・カステレのポールリカールサーキットで開催されるシーズン最終戦ボルドールで決まります。


×