2025 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.1 ルマン24時間レース 決勝

日程 2025.04.19 , 04.20
サーキット ブガッティサーキット (フランス)
ライダー グレッグ・ブラック / エティエンヌ・マッソン / 渥美心
予選 2位
本戦 6位

ヨシムラSERT Motul、ルマン24時間耐久レースで激闘の末6位フィニッシュ

2025年FIM世界耐久選手権の開幕戦、ル・マンで開催された第48回「ルマン24時間耐久レース(24 Heures Motos)」は、非常に難しいウェットコンディションの影響で転倒が続出する波乱の展開となりました。そんな中、ヨシムラSERT Motulは幾度ものクラッシュに見舞われながらも、王者としての強い意志を持ってレースを走り切り、6位で完走を果たしました。
予選2番手からスタートしたグレッグ・ブラック選手は、再びその実力を発揮し、素晴らしいスタートダッシュでホールショットを奪取。序盤5周にわたりレースをリードしましたが、路面のグリップ不足に足元をすくわれ転倒。5分強のピット修復を余儀なくされ、51位まで順位を落とし、苦しい展開となりました。
その後、エティエンヌ・マッソン選手に交代する頃には12位までポジションを回復。エティエンヌ・マッソン選手はウェットコンディションにもかかわらず最速タイムを記録するなどの快走を見せ、6位まで押し上げます。
序盤はグレッグ・ブラック選手とエティエンヌ・マッソン選手がスティントを分担する作戦を採用。これが功を奏し、3時間経過時には上位争いに返り咲きました。しかし、天候の急変により再び雨量が増えたタイミングでエティエンヌ・マッソン選手が転倒。修復のための約10分間のピットイン後、渥美心選手が22位からレースを再開。彼もまた、力強い走りで順位を挽回していきましたが、レース開始から4時間半経過した頃に転倒。マシンに大きなダメージを負い、再びピットでの修復を強いられます。
グレッグ・ブラック選手は夜間走行で再びトップ15を目指して果敢にプッシュしましたが、難しい路面状況は変わらず、さらにいくつかの転倒に見舞われます。それでも3人のライダーは夜を通して諦めることなく走り続け、少しでも多くのポイントを獲得するべく全力を尽くしました。
夜が明ける頃には3人全員が再び集中し、グレッグ・ブラック選手はこのレース中のベストラップタイムを記録。数々の転倒と困難を乗り越えての6位完走は、チームの強い結束力と、GSX-R1000Rの驚異的な回復力を証明するものとなりました。
ヨシムラSERT Motulは、今回のレースで28ポイントを獲得し、暫定ランキング6位でブガッティ・サーキットを後にしました。

加藤陽平 チームディレクター
完全にクレイジーなレースでした。数え切れないほどのクラッシュがあり、チームにとってはある意味記録的なレースでした。最終的には、もちろん目標には届かなかったのですが、正直、少しがっかりしていますが、これがレースなんですよね。少なくともポイントは獲得できましたし、レース中にメカニックたちが素晴らしい仕事をしてくれたことも大きかったです。彼らが乗り越えなければならなかったすべての問題が、チーム全体にとって貴重な経験となったと思います。今年改良したマシンはとても競争力がありそうなので、できるだけ早くランキングに復帰できるよう、引き続き戦っていきたいです。

ダミアン・ソルニエ チームマネージャー
今年も優勝を狙っていただけに、非常に残念でした。路面コンディションが悪く、6回もクラッシュして、とても難しい展開でしたが、それもレースの一部です。その後は、最終的な結果だけでなく、スポーツ・パフォーマンスも重要だと感じています。テクニカル・チームの仕事は本当に素晴らしかったです。この24時間を通して彼らが成し遂げたことには、最大限の称賛と敬意を表します。メカニックたちは100%の力を発揮し、ライダーたちは毎回、マシンをフィニッシュさせるという強い決意を持ってレースに臨んでいました。素晴らしいチームワーク、次の瞬間が読めない、スポーツドラマのような展開でした。貴重なポイントを獲得できましたが、チャンピオンシップでは少し遅れを取ってしまったので次のレースでは、挽回しなければなりません。

グレッグ・ブラック [ライダーブルー]
もちろん、結果は私たちが望んでいたものではありませんでした。それがレースです。今年のレースから学んだことは、困難な状況の中でもチーム全体が素晴らしい努力をしてくれたということです。ライダーたちに関しては、私たちはすべてのスティントで全力を尽くしました。それが私たちのチームの強みでもあります。決して諦めず、6回のクラッシュを乗り越え、6位でフィニッシュしたことがその証明です。レース中のたくさんの出来事を考えれば、良い結果だと言えるでしょう。

エティエンヌ・マッソン [ライダーイエロー]
これほど多くのクラッシュと修理は私たちにとって前代未聞です!でも、そのたびにチームが的確に対応して、マシンを万全の状態に戻してくれました。そこは本当に救いでした。もう一つは、レースで適切なペースを保てていたことを証明できたことです。残念だったのは、これらのクラッシュによって表彰台、さらには優勝から遠ざかってしまったことです。チャンピオンシップでは多くのポイントを失いました。私たちはこの経験から学び、次のレースでさらに強くなって戻ってくる必要があります。

渥美 心 [ライダーレッド]
これまで24時間レースを完走したことがなかったので、今回それを達成できてとても嬉しいです。最初のスティントでは、路面状況にうまく対応できずに苦戦しましたが、その後は状況に合わせてライディングを大きく修正することができ、前進することができました。リザーブライダーとしてダン・リンフット選手の代役を務めるのは大きな責任でした。プレッシャーもありましたが、全力を尽くして取り組めたと思います。

予選

1YART YAMAHAYAMAHA YZF-R11’34.664
2ヨシムラSERT MOTULSUZUKI GSX-R1000R1’34.869
3Tati team AVA6 racingHONDA CBR1000RR-R1’35.127
4BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMBMW M10000RR1’35.677
5ERC Endurance #6BMW M10000RR1’35.683

決勝

順位チームマシン
周回数
1YART YAMAHAYAMAHA YZF-R1782
2Kawasaki Webike TrickstarKawasaki ZX-10R782
3ERC Endurance #6BMW M10000RR773
4BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMBMW M10000RR772
5MAXXESS BY BMRT 3DKawasaki ZX-10R761
6ヨシムラSERT MotulSUZUKI GSX-R1000R759
7F.C.C. TSR Honda FranceHONDA CBR1000RR-R750
8Team Bolliger Switzerland#8Kawasaki ZX-10R745
9Elf Marc VDS Racing Team / KM99YAMAHA YZF-R1731
10MANA-AU COMPETITONHONDA CBR1000RR-R728

ポイントランキング(4/21時点 暫定結果)

順位チームポイント
1YART YAMAHA63P
2Kawasaki Webike Trickstar53P
3ERC Endurance #643P
4BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM42P
5MAXXESS BY BMRT 3D32P
6ヨシムラSERT Motul28P
7F.C.C. TSR Honda France26P
8Team Bolliger Switzerland#822P
9MANA-AU COMPETITON14P
10Elf Marc VDS Racing Team / KM9913P


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