
2025 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.1 ルマン24時間レース 予選
日程 | 2025.04.17 , 04.18 |
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サーキット | ![]() |
ライダー | グレッグ・ブラック / エティエンヌ・マッソン / 渥美 心 / ダン・リンフット |
予選 | 2位 |
ヨシムラ SERT Motul、ルマン24時間レース(24 Heures Motos)予選で2番手タイムをマーク
ヨシムラ SERT Motulは、ル・マン(フランス)で開催された2025年FIM耐久世界選手権開幕戦、ルマン24時間レース(24 Heures Motos)の予選で2番手タイムを記録しました。
スズキはルマン24時間レースで15勝を挙げ、最も成功しているメーカーです。予選1回目からすでに競争力を発揮していたヨシムラ SERT Motulのライダーたちは、ブガッティ・サーキットで行われた予選最終セッションで、優勝候補としての地位を確かなものとしました。
第48回目を迎える伝説のルマン24時間レースには53チームが参加し、今回も、このフランスと日本の合同チームは、優れた能力と豊富な経験を兼ね備えた4人のライダーを起用しています。フランス人ライダーのグレッグ・ブラック選手とエティエンヌ・マッソン選手に加え、日本人ライダーの渥美心選手、そしてイギリス人ライダーのダン・リンフット選手は、テスト中に肩に重傷を負ったため、このFIM EWC第1戦のリザーブライダーを務めることとなります。
ブルーの腕章を巻いたグレッグ・ブラック選手は、大激戦となった第1セッションでトップタイムを記録。彼は残り数分でトップに立ち、全セッションを通じての暫定最速タイムとなる1分34秒551という素晴らしいタイムを記録しました。これは、前日に1分34秒949で2位だった自身のパフォーマンスを大きく上回るものでした。
イエローグループのマッソンは、他の競技者のクラッシュによる2度の中断により、不利な状況となり、予選1回目では本来の実力を発揮する機会を得られませんでした。彼は1分35秒945のタイムで6位につけました。Q2でも再び赤旗中断に見舞われ、不運が続きました。しかし最終的に昨日のラップタイムを更新し、1分35秒251で2番手のタイムを記録しました。
ライダーレッドの渥美心選手も最終予選では、ブガッティ・サーキットに小雨が降るという難しい天候に見舞われました。渥美選手は最終ラップにこの日最高のパフォーマンスを発揮し、2位でフィニッシュ。予選1回目でも最終ラップに1.35.187のベストラップを叩き出しトップタイムをマークしました。
ダン・リンフット選手は痛みに耐えながら、予選1回目でブガッティ・サーキットを9周走り切りました。しかし残念ながら、リザーブライダー専用の第2予選は完走することができませんでした。
予選結果は2人のトップライダーの平均タイムで競われ、スズキGSXR1000Rを駆るチームは1.34.869で予選2位となりました。この結果、チームは選手権初の貴重な4ポイントを獲得しました。
加藤陽平 チームディレクター
チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれました。みんなこの結果に満足しており、とてもポジティブで励みになる内容です。もちろん現在は2位という位置にいますが、やはり私は1位を狙いたいという気持ちがあります。それでも、この結果は私たちにとって非常に良いものです。
明日は天候が不安定になる見込みで、特に土曜の夜には雨が降ると予想されています。そのため、ミスをしないよう、注意深く慎重に臨む必要があります。もし幸運にもチャンスを掴むことができれば、それを活かして勝利を目指します。私たちはその一点に集中していきます。
ダミアン・ソルニエ チームマネージャー
今週は良い1週間でした。メカニックとライダーの間で、すべてがうまく再構築されています。もちろん、ダンがケガの影響で100%の状態で共に戦えないのは残念です。しかし、予選はとてもポジティブな内容でした。渥美選手はテストセッションで非常に良い走りを見せており、着実に進化していて、努力も惜しみません。彼はレースに向けてしっかりと準備ができています。予選2位という結果は、我々が十分に戦える位置にいること、ペースも十分にあることを示しています。週末を通して、私たちのチームはスピードと競争力を兼ね備えた戦いを見せることができるでしょう。
ただし、天候が変わりやすく、レース展開は非常に複雑になることが予想されます。どのタイミングで雨が降るか、そのときに正しい位置にいられるかが勝負の鍵となります。どういう展開になるかは分かりませんが、ひとつだけ言えるのは、我々は準備万端で、自信を持ってレースに臨むということです。
グレッグ・ブラック [ライダーブルー]
予選は非常にうまくいきました。まさに“完璧な1週間”と言っていい内容でした。スターティンググリッドは2番手。過去のレースを振り返っても、この位置からのスタートは縁起が良いんです。逆に、ポールポジションからスタートしたときは、いつも何かしらのトラブルが起きていたので、ある意味、予選2位というのは自分たちにとってむしろ“チャンス”かもしれません。
もちろん、ポールを狙って全力を尽くしました。その中で、ラップタイムが1分34秒5というコースレコードを更新できたのは、自分でも驚くようなタイムでした。まさかここル・マンで、こんなに速いタイムが出るとは思っていませんでしたし、冬の間にチームが取り組んできた新しいセットアップが、しっかり成果として表れたことに本当に満足しています。
ただし、レースはまったくの別物です。公式テストではドライコンディションで非常にいい感触を得ていましたが、最初のフリープラクティスでは雨の中でもしっかりパフォーマンスを発揮できることが確認できました。とても長いレースになるので、安定した走りとチャンスを逃さない姿勢が大事になります。
エティエンヌ・マッソン [ライダーイエロー]
全体的に見れば、予選はうまくいったと思います。予選1回目のセッションは本当に運が悪く、赤旗の影響でクリアな状態で走れるタイミングがまったくありませんでした。それがとても悔しかったですね。ただ、グレッグとココロが良いタイムを出してくれたのは大きかったです。
予選2回目では、残っていた新品のタイヤが1本だけだったので、チームは“少しでもタイムを伸ばせる”という感触を持っていたグレッグにそれを託しました。そして、彼はその期待に応える走りを見せてくれました。本当に素晴らしかったです。
自分は中古タイヤで走り始めましたが、それでもしっかりタイムを上げることができました。総合的に見ても、今回は手応えのある結果になりました。レースに向けてマシンの仕上がりは良好ですし、チーム全体のコンディションも非常に良い状態です。
渥美 心 [ライダーレッド]
最初のセッションでは、新品の予選用タイヤを使うことができて、1分35秒1という自己ベストを更新できて本当にうれしかったです。バイクのフィーリングもとても良かったです。
2回目の予選セッションでは、ポールポジション争いをする展開となりました。自己ベストの更新を目指しましたが、コース上には走行中のライダーが多く、自分のペースをつかむのが難しいコンディションでした。
それでも、今回の予選を通して学んだことは、今回の走行で確実に進歩があり、多くの重要な情報を記録できたことです。それらがレースに向けての自信につながっています。
1 | YART YAMAHA | YAMAHA YZF-R1 | 1’34.664 |
2 | ヨシムラSERT MOTUL | SUZUKI GSX-R1000R | 1’34.869 |
3 | Tati team AVA6 racing | HONDA CBR1000RR-R | 1’35.127 |
4 | BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM | BMW M10000RR | 1’35.677 |
5 | ERC Endurance #6 | BMW M10000RR | 1’35.683 |











