Rd.7 オートポリス

日程 2017.09.09 , 09.10
サーキット オートポリス (大分)
ライダー #12 津田 拓也 / #50 濱原 颯道
予選 5位
8位
本戦 3位
8位

全日本ロードレース第7戦「AUTOPOLIS SUPER 2&4 RACE 2017」が大分県:オートポリスサーキットで開催された。
6月の大会では濃霧と降雨に翻弄されて荒れたウィークとなったが津田は2位表彰台獲得、濱原は攻めた結果の12位フィニッシュ。今大会は四輪レースSUPER FORMULAとの併催で難しいコンディションとなるが、現在ポイントランキングトップを走る津田拓也と濱原颯道の更なる活躍を期してヨシムラスズキMOTULレーシングはオートポリス入りした。

金曜日のART合同走行。前日は霧とゲリラ豪雨に見舞われる荒れた天候であったが、朝から雲ひとつない快晴。しかし、路面が完全に乾くまでには至らず午前9時からの1本目はところどころウェットパッチが残る微妙なコンディションで始まった。津田、濱原ともに最初は様子見で15分を経過した辺りからコースインを開始し、路面がドライとなった1本目後半からタイムアップをしていく。津田は1分49秒323でこのセッションのトップに立つ。濱原は1分51秒662。2本目の走行は完全にドライ。真夏を思わせる強い日射しで気温も路面温度も上昇する。津田も濱原も21周を周回。津田はユーズドタイヤでレースディスタンスを走行、1分49秒788で6番手だが、新品タイヤを履けばタイムを削れるとの確信を持つ。濱原は開発パーツや本番で使用するパーツのテストを行いながらの走行。1分50秒534で9番手につける。

翌土曜日に公式予選が開催された。この日も朝から晴天。朝からカラリとした晴天でレース日和となった。今回の予選はノックアウト方式が採用された。全車走行する30分間のQ1でエントリー35台から11番グリッド以下の結果が決まる。Q2は上位10台による20分間のタイムアタックとなり、ポールポジションから10番グリッドが決定する。

Q1、津田は1分50秒台前半で周回、3周目には1分49秒台に入れる。予選の中盤に1分49秒589のタイムを出して6番手でQ2進出を決めた。濱原も序盤から1分50秒前半で周回を重ね、6周目に1分49秒748までタイムを詰め、津田よりも上位の6番手でリーダーボードに掲示される。その後、津田がタイムアップを果たし6番手、濱原は9番手でQ2進出を決めた。

迎えたQ2、津田はユーズドタイヤで入り49秒3から入る。ピットインのあと新品タイヤでタイムアタック、1分48秒618で予選5番手を獲得する。濱原はいきなり49秒台から入り、2周目にこの週末ベストの1分49秒578のタイムをたたき出して8番グリットを獲得する。翌日の決勝レースは津田がセカンドロー、濱原は津田のすぐ後ろのサードローからスタート、上位進出を狙う。

決勝日は、朝から快晴で絶好のレース観戦日和となり7時には入場ゲートで大渋滞ができるほどたくさんの観客が来場した。
朝のフリー走行で津田は1分49秒733で4番手、濱原は1分49秒919で5番手につける。

四輪レースSUPER FORMULAとの併催のため、19周によるJSB1000クラスの決勝レースは通常よりもかなり早い午前10時20分にスタート。津田は5番グリッドから4番手で第1コーナーに進入、オープニングラップを4番手で通過する。前を追いかけたかったが上位陣の1分49秒台に対して津田は50秒123、序盤にペースを上げられず二つ順位を落とすが3周目に48秒台にペースアップ、5番手に戻す。4周目には1分48秒855自己ベストタイムで4番手走行の渡辺選手(カワサキ)を追い上げる。7周目のホームストレートで渡辺選手をかわすと4番手に浮上する。津田は先頭グループとほぼ同じ49秒台前半で周回するが、先頭グループとは差が開いてしまい、渡辺選手を従えてセカンドグループを形成する。
レース終盤に3番手を走行していた野左根選手(ヤマハ)がコースアウトして順位を落としたため、先頭を行く中須賀選手(ヤマハ)、高橋選手(ホンダ)に続き、津田は3位でチェッカーを受け、シリーズランキングトップを守った。

濱原はオープニングラップを8番手で通過する。2周目にひとつ順位を落としてベテランの加賀山選手(スズキ)、柳川選手(カワサキ)に続く9番手で走行。4周目に加賀山選手をかわして柳川選手と8番手争いを展開する。6周目には自己ベストの1分49秒883を出してプッシュ、その後は50秒台中盤で周回してついに11周目に柳川選手をとらえて8番手に浮上、レース終盤の18周目に50秒フラットまでタイムを上げてそのまま8位でフィニッシュした。

6月のオートポリス大会に比べて決勝レース中のアベレージタイムは向上しマシンとライダーは進化しているが「金曜日の走り出しからさらにセットを詰められなかったことが敗因。ファクトリーチームのマシン進化には追いついていない」と津田。濱原も「このコース攻めるには自分の走り込みが足りずバイクとの折り合いがつかなかった」と言う。
次戦の岡山国際サーキットは事前テストでさらにマシンを造り込みレースウィークを迎えられるように準備を進める。

津田拓也 選手コメント

金曜日の走り出しはすごくフィーリング良く走れ、そこからレベルアップさせようとしてFP2、Q1、といろいろとセッティングを変えて試したのですが、結局より良いセットアップが見つけられないままの状態でレースを迎えてしまいました。
予選を終えた感触では決勝レースはトップからかなり差を広げられてしまうことを想像していたのですが、トップと近いタイムで走れたり、想定よりも少ないタイム差で走れたことと、自分の悪い点がわかったことが収穫だと思います。前半戦や昨シーズンはトップから20秒近く離されたこともありますが、今回は6秒差。そこには進化を感じますが、今回のレースウィークの流れの中で走り出しからタイムを上げられなかったことが一番の敗因だと思います。次戦岡山では今回の課題を解決して上位進出を狙いたいと思います。

濱原颯道 選手コメント

自分は前半セクションが得意なのですが、後半セクションのタイムアップができないので、レース序盤に前を走るライダーとの差が開いてしまいした。中盤以降にペースを上げようとしたのですが、タイヤが摩耗していく過程でのフィーリングが上手く掴めず、タイヤが消耗してスライドするようになってきた後半にベストに近いタイムを出しました。
今回はレースディスタンスのロングランを走る時間がなかったですし、オートポリスは過去にも走り込みが足りないコースなのでバイクと人間が少しちぐはぐになってしまいました。
バイクのポテンシャルは高いので、しっかり走り込んで自分のイメージに合わせたバイク造りをするのが今後の課題です。
前回6月のオートポリス戦と比べて49秒台を何回も出せている点と、レース後半に50秒フラットを出せた点は良かったと思いますが、周りは速くなっていますし、スタートで自分が飲まれてしまったのが敗因です。但し、体力作りと体重を落としていることで、今回疲れを感じていないという点が収穫です。

加藤陽平 監督コメント

鈴鹿8耐以降ベースセットは変わっているものの、オートポリスは6月に一度レースをやっているのでタイヤの選択やサーキットに対するアプローチはあまり変えずに臨みました。
津田選手は走り出しの金曜日にトップに立ち、順調な滑り出しかなと思ったのですが、その後のセットアップを決められず決勝レースはライダーが思いきり攻められないような問題が出てしまったので彼にとってフラストレーションが溜まるレースだったのかな、と思います。それでもシーズン前半に比べればトップとの差が大きく開くことが無かったのでもう少し上手くセットアップができれば近づけたのかもしれません。
決勝レースに向けてどれ位で走れるのかが読めないような状況だったのですがホームコースで走り込んでいるカワサキさんの前でゴールできたのは津田選手の実力だと思います。
濱原選手は6月の大会では表彰台争いができるところまでいけたこともあり本人も自信を持って臨んだと思うので、マシンのセットは変えずにタイヤが前半戦とは少し違うものにしました。決勝レースは前回よりもラップタイムペースが速くなったのは良かったのですが、スタートから中盤まで前を走るライダーよりペースは速いのに抜けなかったのが残念でした。

JSB1000決勝レース正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 34’37.041
2 高橋 巧 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda CBR1000RR SP2 +2.903
3

津田 拓也

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +6.191
 
8

濱原 颯道

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +26.469

JSB1000公式予選

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’47.841
2 渡辺 一馬 Kawasaki Team GREEN ZX-10RR +0.457
3 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +0.666
 
5 津田 拓也 ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +0.777
 
8

濱原 颯道

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +1.737

JSB1000ポイントランキング

順位 ライダー チーム ポイント
1 津田 拓也 ヨシムラスズキMOTUL 137P
2 高橋 巧 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda 134P
3 渡辺 一馬 Kawasaki Team GREEN 128P
4 藤田 拓哉 YAMALUBE RACING TEAM 107P
5 濱原 颯道 ヨシムラスズキMOTUL 98P
6 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 96P
7 山口 辰也 TOHO Racing 74P
8 近藤 湧也 JOYNET GBSレーシングYAMAHA 74P
9 中冨 伸一 HiTMAN RC甲子園ヤマハ 66P
10 松崎 克哉 Kawasaki Team GREEN 64P

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