全日本ロードレース選手権(JSB1000クラス) Rd.8 鈴鹿サーキット

日程 2023.10.14 , 10.15
サーキット 鈴鹿サーキット
ライダー #5 亀井 雄大 / #82 渥美 心
予選 #5 予選1:3位 / 予選2:3位
#82 予選1:8位 / 予選2:7位
本戦 #5 レース1:5位 / レース2:3位
#82 レース1:8位 / レース2:6位

最終戦でついにつかんだ表彰台

ついに最終戦を三重県・鈴鹿サーキットで迎えた全日本ロードレース選手権シリーズ。今回は、亀井雄大に加えて9月に開催されたボルドール24時間耐久でヨシムラSERT Motulのリザーブライダーを務めた渥美心を起用し、2台体制でエントリー。事前テストはなく、木曜日に特別スポーツ走行が設けられており、通常とは一日早くレースウィークがスタート。スポット参戦の渥美にとっては、ぶっつけ本番となったが、走り始めから優れた対応能力を見せてくれた。

木曜日は渥美が2分07秒444で6番手、亀井が2分07秒786で7番手、金曜日は渥美が2分06秒473で6番手、亀井が2分06秒665で7番手と渥美が先行。亀井もいい刺激を受けながら、予選、決勝に向けてマシンセットを進めていった。

公式予選(土曜日)
40分間で争われた公式予選。亀井は走り始めから2分06秒台を連発。一度ピットインし、再びコースに戻ると、2分05秒313をマークし、この時点でトップに立つ。その後、ヤマハファクトリーの#1中須賀選手、#3岡本選手の2人が亀井を上回ってきたが、3番手となりフロントロウを確保した。レース2のグリッドを決めるセカンドベストでも2分05秒334で3番手につけた。一方、渥美も2分05秒845までタイムを詰め8番手。セカンドラップタイムも2分05秒873と好タイムをマークし7番手となっていた。

レース1(土曜日)
天気予報は下り坂だったが、何とかドライコンディションでレース1は行われた。亀井はスタートで出遅れてしまい、オープニングラップは11番手。その前に渥美がつけ、2台のヨシムラカラーGSX-R1000Rがランデブーをしていた。亀井は3周目に渥美の前に出ると4周目、5周目と、それぞれ数台をかわして7番手に浮上する。さらに前を走る2台に追いつくが、かわすところまではいけない。しかし、最終ラップにトップ争いをしていたヤマハファクトリーの2台が接触転倒。亀井は2つポジションを上げ5位でゴール。もし前の2台をかわすことができれば、3位だったと考えると悔しいレースとなっていた。
渥美は、今ひとつ噛み合わず苦しいレースとなってしまったが8位でチェッカーフラッグを受けた。

レース2(日曜日)
朝方まで降っていた雨の影響で朝のウォームアップ走行はウエットとなったが、天気は回復。風が強く、レース終盤に雨がパラついたものの、ドライコンディションでレース2は争われた。 シグナルがブラックアウトすると渥美が3列目から好スタートを切り4番手につける。亀井もレース2はスタートを決め6番手でオープニングラップを終える。2周目の1コーナーでアクシデントが発生したためセーフティーカー(SC)が入ると3周に渡って、SCランが続く。リスタート後は、渥美のペースが上がらない。そこに亀井が追いつくと7周目に前に出ていく。さらに8周目の1コーナーで#15名越選手(Honda)がオーバーランしたため3番手に浮上する。亀井はトップ2台の#3岡本選手、#36水野選手(Honda)を追うが、その差を詰めることができない。背後には名越選手が迫ると13周目のスプーンカーブ立ち上がりでリアをスライドさせてしまった亀井は、130Rで名越選手にかわされてしまう。しかし最終ラップに入る直前の16周目のシケインへのブレーキングで亀井が名越選手をパス。そのままポジションを守り切り3位でゴール。今シーズン最後のレースを表彰台で締めくくった。渥美は5位争いの集団でバトルを繰り広げ6位でゴールしている。

亀井 雄大 ライダー コメント

走り出しからフィーリングは良かったものの、スポット参戦の渥美選手の後ろになってしまっていて、多少の焦りはありましたが、落ち着いて自分たちの作業を進めることができていました。前戦の岡山で歯車が合ってきていたので、予選でセットを戻せばタイムを出せる自信がありました。
レース1は、表彰台獲得のチャンスがあったにもかかわらず、スタートミスからトップ争いに加わることができなかったので、チームに申し訳ない気持ちでした。
レース2も3位にはなれましたが、ペースを見るとトップグループとの1、2秒の差がなければついて行けたのではと考えると悔しいですね。
最終戦のレース2で時間がかかりましたが、表彰台に上がってシーズンを締めくくれたことは良かったと思います。チームを始め、支えてくださった皆様に感謝申し上げます。そして多くの応援が力になりました。本当にありがとうございました。

渥美 心 ライダー コメント

今回、YOSHIMURA SUZUKI RIDEWINより全日本最終戦鈴鹿にスポット参戦させていただき本当に光栄でした。チームや、応援してくださっている皆様に感謝いたします。
ヨシムラのマシンなら鈴鹿を速く走ることができるだろうとは、9月のボルドールの時から感じていたので楽しみにしていました。実際走って見たら乗りやすく自己ベストも約1秒更新することができました。
レース1は苦しい展開になってしまい、それを踏まえてレース2は変更して挑みました。スタートも決まり、トップ争いに加わっていきたかったのですが、セーフティーカー後は、うまくペースを上げることができず悔しいレースになってしまいました。
今回の参戦はレース人生の中でも大きな出来事でしたし、いろいろ課題が見つかりました。オフシーズンは、心身共に鍛えて来年に備えます。

加賀山 就臣 チームマネージャーコメント

今回は亀井に加え渥美心との2台体制で挑みました。2台体制というのは、データの共有ができ、ライダー同士が刺激し合えるチーム組織にとっても、いい経験になりました。
亀井は取り組み方も変わり、渥美はマシンに対する適応能力の高さを見せてくれました。切磋琢磨していった結果、亀井は予選で自己ベストを更新してレース2で表彰台に上がってくれました。最後の最後にスポンサーの皆様に表彰台獲得の報告ができることをチームとしても、うれしく思います。
渥美は、スポット参戦という限られた中で雰囲気もよく作業を進めることができデータを残してくれました。転倒もなく着実にタイムを出してレースを戦ってくれて感謝しています。最後に今シーズンYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINを応援してくださったスポンサー、ファンの皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

加藤 陽平 チームディレクターコメント

今回の渥美のスポット参戦は、ボルドールで第4ライダーとして走ってもらい、いい走りをしてくれたのですが、決勝は走れなかったので、鈴鹿でレースを走るチャンスを作れればという思いが実現したものです。来季に向けてのオーディションというわけではないのですが、渥美も走るからには、そこを目指していると思いますし、我々も、そのような目線で評価をおのずとする部分がありました。スポット参戦という限られた中で、着実に実力を出してくれたと思います。
亀井は後半戦に入り調子を上げてきていました。今シーズン努力してきた結果で、最終戦の表彰台に上がれたことを祝福したいです。
これからも2人には、さらなる成長を期待したいですね。

JSB1000 公式予選1(ベストラップタイム)結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA YZF-R1 2’04.820
2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA YZF-R1 +0.337
3

亀井 雄大

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN SUZUKI GSX-R1000R +0.493
 
8

渥美 心

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN SUZUKI GSX-R1000R +1.025

JSB1000 公式予選2(セカンドラップタイム)結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA YZF-R1 2’04.935
2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA YZF-R1 +0.348
3

亀井 雄大

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN SUZUKI GSX-R1000R +0.399
 
7

渥美 心

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN SUZUKI GSX-R1000R +0.938

JSB1000決勝レース1正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 水野 涼 Astemo HondaDream SI Racing HONDA CBR1000RR-R 31’40.652
2 清成 龍一 TOHO Racing HONDA CBR1000RR-R 31’41.021
3 津田 拓也 AutoRace Ube Racing Team SUZUKI GSX-R1000R 31’46.602
 
5

亀井 雄大

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN SUZUKI GSX-R1000R 31’47.663
 
8

渥美 心

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN SUZUKI GSX-R1000R 31’55.911

JSB1000決勝レース2正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 水野 涼 Astemo HondaDream SI Racing HONDA CBR1000RR-R 37’35.463
2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA YZF-R1 37’35.359
3

亀井 雄大

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN SUZUKI GSX-R1000R 37’40.501
 
6

渥美 心

YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN SUZUKI GSX-R1000R 37’48.415

JSB1000ポイントランキング

順位 ライダー チーム マシン ポイント
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA YZF-R1 245P
2 岡本 裕生 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2 YAMAHA YZF-R1 208P
3 水野 涼 Astemo HondaDream SI Racing HONDA CBR1000RR-R 182P
4 名越 哲平 SDG Honda Racing HONDA CBR1000RR-R 154P
5 亀井 雄大 YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN SUZUKI GSX-R1000R 125P
6 津田 拓也 AutoRace Ube Racing Team SUZUKI GSX-R1000R 116P
7 清成 龍一 TOHO Racing HONDA CBR1000RR-R 109P
8 作本 輝介 Astemo HondaDream SI Racing HONDA CBR1000RR-R 105P
9 伊藤 和輝 Honda Dream RT SAKURAI HONDA HONDA CBR1000RR-R 87P
10 岩田 悟 Team ATJ HONDA CBR1000RR-R 84P
 
13 渥美 心 YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN
/S-PULSE DREAM RACING ITEC
SUZUKI GSX-R1000R 41P

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