新しいセッティングに可能性を見出す

鈴鹿8耐をはさみ全日本ロードレース選手権は、今回のオートポリスラウンドからシリーズ後半戦に突入した。JSB1000クラスは、5月の第3戦に続き、オートポリスでは、2度目の開催となり、今シーズン初めて1レース制で行われた。

前半戦の経験を生かし、新たな足回りのセッティングにチャレンジすることを決めていたが、前週に行われた事前公開テストは、天候が不安定となり、思うようにセットを詰めることはできなかったもののフィーリングはよく、可能性のある手応えがあった。

レースウイークは、打って変わり安定した天候に恵まれ、ドライコンディションのもと、金曜日のフリー走行からマシンセットを進めていった。

公式予選（土曜日）
土曜日のお昼過ぎに45分間で争われた公式予選。
新しいセットを進めつつ、セッション終盤にタイムアタックに入り1分48秒748をマークし4番手となっていた。
その後、2番手のライダーが欠場することになり、グリッドは1つ繰り上がり3番手とフロントロウからスタートすることになった。

決勝レース（日曜日）
ウォーミングアップ走行後に2番グリッドのライダーが体調不良でリタイアとなり、セカンドグリッドが空いたままスタートすることになった。
渡辺はスタートで出遅れてしまい5番手で1コーナーに入っていく。レース序盤は、6台がトップグループを形成し、混戦状態となっていた。早くポジションを挽回したい渡辺は、オープニングラップで1台をかわし、#27作本選手（Honda）、#6亀井選手（Honda）、#1中須賀選手（Yamaha）に続き、4番手に上がり、前を行く中須賀選手のテールを追う。中須賀選手は4周目にトップに立つとペースアップ。渡辺も4周目に作本選手を抜き3番手に上がり、5周目にも前を走る亀井選手を、いずれも第2ヘアピンのブレーキングでかわし2番手に浮上するが、その時点でトップとの差がついてしまっていた。その差を詰めていくことは難しく2番手単独走行となっていく。そして14周目に入るホームストレートで白煙を吹いたマシンがあり赤旗が提示される。
18周で争われる予定となっていた決勝は、12周の終了時でレースが成立し、渡辺は2位という思わぬ幕切れの結果となった。

渡辺一樹 ライダー コメント

まずは、スタートで出遅れてしまったことでレースを難しくしてしまいました。ただ結果は変わらなかったかもしれませんが、スタートで前に出られなかったことで、中須賀選手の後ろにつく時間を短くしてしまいました。このレースウイークではスタート練習もしていたのですが、なかなかうまくいっていなかったので、それが本番でも出てしまったことは反省点です。後半戦に入り新しいことを試しているのですが、テスト不足を感じている中でも、このポジションを走れていますし、いい状態でレースができているので、良い方向に進んでいる手応えがあります。まだまだライバルとの差があるので、非常に悔しいですが、残り2戦でチームと力を合わせてその差を縮めていきたいです。

加賀山就臣 チームマネージャーコメント

今回から全日本ロードレース選手権も後半戦に入り、リスタートを切りました。渡辺をより速く走らせるために新しいセッティングの挑戦を行いました。事前テスト、レースウイークと進めていったのですが、結果的にライダーの評価はよかったものの、実際に渡辺のスピードを十分に発揮できるところまで、いけなかったのが現状でした。ただ、荒れたレースで、しっかり2位でゴールできたことは、渡辺をはじめチームスタッフの努力によるものです。今回はハーフステップぐらいしかできませんでしたが、ライバルとのギャップを縮めていけるように残り2戦でもセッティングをトライしていきます。

JSB1000 公式予選結果

JSB1000決勝レース正式結果

JSB1000ポイントランキング