Rd.14 ヘレス

日程 2013.10.20
サーキット ヘレス (スペイン)
ライダー レオン・キャミア / ジュール・クルーゼル
予選 7位
18位
本戦 レース1: 8位/レース2: 6位
レース1: 11位/レース2: 8位

レポート

復帰のキャミアが6位入賞!

最終戦に予定されていたインド大会がキャンセルされたことで、最終戦となったスペイン・ヘレス大会。MoroGP開催コースとしてもおなじみのヘレスサー キットだが、ワールドスーパーバイクは1990年の開幕戦以来、23年ぶり2度目の開催。この最終戦には、第11戦トルコ大会で右足を7か所骨折し、2戦 を欠場していたFIXIクレセントスズキのレオン・キャミアが復帰するが、キャミアにとってはヘレスは初めてのコースで、チームメイトのジュール・クルー ゼルは、WGPに参戦していた時代に、GP125/250、そしてMoto2でレース経験がある。

「このレースには出られないだろう、って言っていたドクターが驚くほど、ケガはすごく良くなっている。まだ少しは痛みがあるけれど、マシンに乗るにはOKだろう。トライアルやエンデューロでバイクには乗ってきたしね。いい結果を残して最終戦を終わりたいね。」(キャミア)

好天に恵まれ、35度を越える路面温度のなか、金曜日午前に行なわれたフリー走行では、キャミアは19番手、クルーゼルが9番手タイムをマークし、午後の 公式予選1回目ではキャミアが6番手にジャンプアップ。クルーゼルは10番手となった。そして曇り空で迎えた土曜日午前の公式予選2回目では、キャミアが 9番手タイムでスーパーポールに進出するが、クルーゼルは18番手で6列目18番手グリッドが確定。しかしクルーゼルはそこからさらにセッティングを詰 め、午後のフリー走行では2番手タイムをマークしてみせた。
そして、スーパーポールに進出したキャミアは、スーパーポール1と2を6番手でクリアすると、最終セッションを7番手で終了。3列目7番グリッドからのスタートが決定した。
「今シーズン最低の予選順位と、今シーズン最高のフリー順位になった、おかしな一日だったね。初日、あまりフィーリングが良くなかったのを予選まで引き ずってしまって、セッティングを変えたらグンと良くなった…もう少し早いタイミングでセッティングを変えてみるべきだった。ヘレスはスタート順位が悪いと 結果を出すのも難しいけど、最後までベストを尽くすレースをしたいね。」(クルーゼル)

レース

レース1

朝のウォームアップは雨に見舞われ、ウェット路面でのセッションとなったが、レース1の頃には路面もドライコンディションへ。キャミアは7番手スタートか ら1周目を8番手で終了し、クルーゼルは序盤からペースをつかみ、18番グリッドスタートから、2周目を14番手で、5周目には11周目まで順位をアップ する。
レースはE・ラバティ(アプリリア)が飛び出し、M・メランドリ(BMW)との一騎打ちでのトップ争いが展開される中、3番手以降のセカンドグループはや や縦長の展開となり、キャミアは終始、C・デイビス(BMW)との7番手争いから、終盤には後方から追い上げてきたX・フォレ(ドゥカティ)に追い付かれ ながらも、これを振り切って8位でフィニッシュ。クルーゼルは11位まで追い上げ、前方を走るM・アッチソン(カワサキ)をギリギリまで追い詰めながらか わすことはできず、チェッカーを受けた。

レース2

まずまずのスタートを切ったキャミアが、序盤はT・エリアス(アプリリア)やB・パークス(ヤマハ)とポジション争いを繰り広げるものの、徐々に前後との 差は開いていき、単独走行へ。クルーゼルは好スタートを見せて2周目にはトップ10に食い込む走りを見せたが、3~4台の8番手争いに加わったあと、一時 はポジションを落としながら、D・ジュリアーノ(アプリリア)やS・バリア(BMW)を引き離して8位でフィニッシュ。クルーゼルの駆るヨシムラチューン ドのGSX-R1000は、このレース2での全ライダー中、最高速度となる279.7km/hをマーク。チームメイトのキャミアは終始単独走行となったも のの、序盤のポジションアップが効いて6位でレースを終えた。
これでシーズンを終えたFIXIクレセントスズキは、クルーゼルがスーパーバイククラスのルーキー中で最高位のランキング10位、キャミアがランキング 11位でシーズンを終了。1チーム2人のみが参戦したマニュファクチャーランキングでは、スズキは最終戦でホンダを逆転し、7メーカー中4位で全日程を終 了した。

シリーズチャンピオンは、かつてクレセントスズキでイギリススーパーバイクを戦ったトム・サイクス(カワサキ)が獲得。FIXIクレセントスズキはレース終了後もヘレスサーキットに留まり、ポストシーズンテストを開始する予定だ。コメント

レオン・キャミア 選手 コメント

「正直言ってこんなリザルトを残せるとは思っていなかったから、本当にホッとしている。最初はバイクに乗れるかどうかも分からなかったのに、いざライディ ングするとだんだん乗る自信が出てきて、レースを最後まで戦えたからね。レースはファクトリーチームのBMWと一緒に走ったり、表彰台に何度も上がってい たダビデ(ジュリアーノ)を破ったりと、有意義な走りだった。彼らのどこがいいのか、僕らに何が足りないのかが分かったからね。最後は本当にケガをした足 が痛かったけれど、いい形でシーズンを締めくくれたし、たくさんのヘルプをしてくれたチームスタッフみんなにお礼を言いたいね。」

ジュール・クルーゼル 選手 コメント

「レース1が終わって少しマシンに変更を加えたんだけれど、それが当たって、かなり楽に走ることができたよ。もっとたくさん、楽しいバトルをしたかったけ ど、スタート位置が悪く、序盤から飛ばしていかなければならなかったので、タイムもそれほどいいものではなかったね。前戦のマニクールから流れが悪くて、 予選で18番手にしかなれなかったから、厳しいレースだったけれど、最後はなんとかまとめられたかな、と思う。まだスーパーバイクの1年目だから、全レー ス自分のベストが出せたわけではないけれど、もう少し慣れる時間があればもっと前のグループを走れるようになると思うよ。」

レース1

順位 ライダー チーム
1位 ユージン・ラバティ アプリリア
2位 マルコ・メランドリ BMW
3位 トム・サイクス カワサキ

レース2

順位 ライダー チーム
1位 ユージン・ラバティ アプリリア
2位 トム・サイクス カワサキ
3位 シルバン・ギュントーリ アプリリア

2013 ワールドスーパーバイク 最終ランキング

順位 ライダー マシン ポイント
1 トム・サイクス カワサキZX-10R 447P
2 ユージン・ラバティ アプリリアRSV-4 424P
3 シルバン・ギュントーリ アプリリアRSV-4 402P
4 マルコ・メランドリ BMW S1000RR 359P
5 チャズ・デイビス BMW S1000RR 290P
6 ダビデ・ジュリアーノ アプリリアRSV-4 211P
7 ミシェル・ファブリツィオ ホンダCBR1000RR 188P
8 ロリス・バズ カワサキZX-10R 180P
9 ジョナサン・レイ ホンダCBR1000RR 176P
10 ジュール・クルーゼル スズキGSX-R1000 175P
11 レオン・キャミア スズキGSX-R1000 132P

×