Rd.12 ラグナ・セカ

日程 2013.09.28 , 09.29
サーキット ラグナ・セカ (アメリカ)
ライダー ジュール・クルーゼル / ブレーク・ヤング
予選 8位/17位
本戦 レース1: 7位/レース2: 6位
レース1: 12位/レース2: 12位

レポート

クルーゼル「難コースの初ライドで納得のいく走り!」 ~代役参戦のヤングも両レース12位と健闘~

ヨーロッパ大陸を離れ、アメリカ・ラグナセカでの開催となったWSBK第12戦。
MotoGPを開催することでもお馴染みのラグナセカは、アメリカ・サンフランシスコから南へ約160km離れた場所に位置し、世界的に有名な「コークス クリューコーナー」、「レイニーカーブ」、「アンドレッティヘアピン」などを持つ、WSBKのシリーズ中もっとも短いトラックレイアウトとなる。
ラグナセカでの開催は実に9年ぶりで、AMAスーパーバイク選手権との併催。そして、FIXIクレセントスズキのレオン・キャミアが前戦トルコ大会で負傷 したことで、チームはジュール・クルーゼルのチームメイトにAMAスーパーバイクライダーであり、2012年シリーズランキング2位のブレーク・ヤング (26)を指名。ヤングはラグナセカでも数多くレースをしており、チームもヤングの経験値に期待しての代役指名となった。
さらに、AMAからのワイルドカードライダーも参加し、スズキ勢でも、マイケルジョーダン・モータースポーツ・スズキのロジャー・ヘイデン、ダニー・エスリックがWSBKに初参戦した。
スケジュールは、AMAとの併催ということもあって、初日午前にフリー走行、午後に2回の公式予選という変則スケジュールで、土曜にフリー走行とスーパーポールのあとにレース1、日曜にレース2が行なわれる。
「ラグナセカに来たのは2度目だけれど、レースは今回が初めて。ラグナのコースは走ったことがないけれど、有名なコースだからTVで沢山のレースを観てき たし、ゲームでは何度も走った事はあるよ。前戦のトルコでマシンがどう機能するか色々なヒントを掴んでいたから、とにかくレースが待ち遠しかったんだ」 (クルーゼル)
「今でもこんなチャンスをもらえたことが信じられないし、チームが自分に声を掛けてくれた事に本当に感謝しているよ。いつもGSX-Rではレースしている けれど、ヨシムラチューンのWSBK仕様は初めてだから、まずは早く慣れなければならないね。早くマシンに乗りたいし、早くアメリカのファンの前で走りた いね」(ヤング)

ウィーク初日、28日金曜日に行なわれたフリー走行と公式予選では、クルーゼルはフリー走行を12番手で終了。
午後の公式予選ではタイムを一気に縮めたものの、順位は変わらず12番手となり、午後の最終セッションでは11番手タイムをマークしてスーパーポールに進出。
一方のヤングはチーム初合流からバイクのセットアップを始め、フリー走行で19番手、予選1回目で18番手、2回目で17番手と、3度のセッションを通じて2秒もタイムを短縮。
予選最後にはスーパーポール進出をかけてタイムアタックを行なったものの、コークスクリューで転倒。惜しくも17番手でスーパーポール進出を逃してしまった。
そして、29日土曜日の午前に行なわれたスーパーポールは、クルーゼルが10番手でセッション2へ、セッション2では8番手で最終セッションまで進出し、最終的に8番手のスターティンググリッドを獲得。
ほかスズキ勢では、ジョーダン・スズキのワイルドカードライダー、ヘイデンとエスリックがセッション2まで進出する健闘をみせた。

レース

レース1

土曜日の午後に行なわれたレース1は、2度の赤旗中断を経て、計3レースとなる大波乱の展開となった。 開始7周目に、ジョーダン・スズキのエスリックのクラッシュによりエアフェンスが破損しレッドフラッグ。 残り20周でパート2として再開されたが、再び8周を終了したところで、同じくジョーダン・スズキのロジャー・ヘイデンのバイクがエアフェンスを飛び越えるほど激しく転倒したため、再びレッドフラッグ。 結局、26周のレースは12周に短縮されて行なわれることとなった。 8番手スタートだったクルーゼルは、まずまずのスタートから、3周目に7番手に浮上しサードグループの先頭を走行。 結局、A・バドビーニ(ドゥカティ)、T・エリアス(アプリリア)のアタックを抑えきって7位でフィニッシュ。 ヨシムラチューンドのGSX-R1000でのWSBKデビューレースとなったヤングは、2度の赤旗中断の度にマシンを調整することができ、12周のレースのラスト3周で、WSBKレギュラーライダーのM・ファブリツィオ(ホンダ)をかわして12位でフィニッシュした。

レース2

日曜午後に行なわれたレース2では、クルーゼルはまずまずのスタートから3周目に6番手までアップ。 4周目にはこの周回までのファステストラップを叩き出し、5台ほどからなるセカンドグループでポジションをキープし、後方につけた同じGSX-R1000に乗るヘイデンを徐々に引き離すレースを展開。 後半、表彰台争いのグループからは少しずつ離されてしまうが、コンスタントなラップタイムを出し続け、終盤にヘイデンをかわしたエリアスを7秒以上引き離して6位でフィニッシュ。 ヤングはレース2でも高いパフォーマンスを発揮し、17番手スタートからラップごとに順位を上げ、6周目には14番手、20周目には12番手まで順位を上げてフィニッシュ。 WSBK、そしてヨシムラチューンGSX-Rでのデビューレースで、終盤までペースを落とさないレースを見せた。

これでシリーズはあと2戦4レースを残すのみ。第13戦の舞台は、クルーゼルの地元であるフランス・マニクールサーキットだ。

コメント

ジュール・クルーゼル 選手 コメント

「土曜のレースは2度も中断があって大変だったけれど、再スタートの度にマシンのアジャストができて、それが機能していいペースで走ることができたね。 レース2はいいスタートが切れて、走り出しのペースも良かったので、先頭集団についていけるフィーリングもあったんだ。けれど、いいラップタイムで走って いても、ホームストレートで少しタイムロスがあって、トップグループに迫ることができなかった。でも、とてもいいフィーリングで走ることができて、今シー ズンの僕のベストレースになったかもしれないね。ラグナセカという難コースだったけれど、すぐに攻略できて、楽しむことさえできていたからね。」

ブレーク・ヤング 選手 コメント

「チームに初合流してのレースだったけれど、すぐに自分のチームで走っているかのようにリラックスして走ることができたよ。レース1が2度もレッドフラッ グになったのは心配だったけれど、ライダーに大きな怪我がなくてよかったと思う。日曜のレース2も、12位で終えることが出来て嬉しかったけれど、もっと いいタイムを目標にしていたから、そこに届かなかったのは残念だった。2レースとも12位だけれど、タイムはずいぶん上がっていたので、内容はステップ アップ出来ていたと思う。チームのみんなが本当によくやってくれて、最後は全員が笑顔で終わることができてよかったよ!とにかく今回の様な機会を与えても らってチームには感謝の言葉しかないね。」

レース1

順位 ライダー チーム
1位 トム・サイクス カワサキ
2位 チャズ・デイビス BMW
3位 ユージン・ラバティ アプリリア

レース2

順位 ライダー チーム
1位 ユージン・ラバティ アプリリア
2位 ダビデ・ジュリアーノ アプリリア
3位 マルコ・メランドリ BMW

■スーパーバイク世界選手権第12戦、アメリカ・ラグナセカ大会は9月29日に開催されます。


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