2023 FIM世界耐久選手権(EWC) Rd.3 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第44回大会

日程 2023.08.06
サーキット 鈴鹿サーキット
ライダー グレッグ・ブラック シルバン・ギュントーリ エティエンヌ・マッソン
予選 5位
本戦 11位

ヨシムラSERT Motul 第3戦鈴鹿8耐で確実にポイントを獲得

FIM世界耐久 第3戦 鈴鹿8時間耐久レースにおいて、ヨシムラSERT Motul は終始上位で強い戦いを見せたものの、ウェットコンディションとなったレース終盤にグレッグ・ブラック選手が転倒。ゼッケン12は12番手でチェッカーを受けた。

第44回目となった「コカ・コーラ鈴鹿8時間耐久レース」は2023年FIM EWCシリーズの第3戦目として開催され、50ものチームが参戦した。ヨシムラSERT Motulは予選結果により5番手からのスタートとなったが、ロケットスタートで知られるグレッグ・ブラック選手がここでも見事なホールショットを決め、オープニングラップから3周の間はレースをリード。その後は安定の2番手に落ち着いてレースが展開していった。

シルバン・ギュントーリ、エティエンヌ・マッソン両選手もそれぞれのスティントで速いラップタイムを記録。総合2番手、そして世界耐久選手権からの参戦チームではトップポジションにて盤石な走りで、レースリーダーから大きく離されることなく安定したペースを刻んでいった。

日仏合同チームはその後も後続とのギャップを広げつつ安定の2番手ポジションでレース終盤に突入していき、好結果を手中に収めようとしていたが、残り1時間15分のタイミングで雨が降ってきてレースが動いた。走行中のブラック選手の決断は早く、すぐにピットインしレインタイヤに交換。ところがコースコンディションはめまぐるしく変わっており、この難しい状況で転倒を喫してしまった。ヨシムラSERT Motulのクルーはすぐに修復を施し、ギュントーリ選手でレースに復帰、しかしポジションは11番手まで後退してしまっていた。

ラスト1時間はウェットコンディションとなり他のチームからも転倒者が相次いだが、選手権のために1ポイントでも多く獲得したいゼッケン12は、チェッカーフラッグまで全力で走り切り12位でゴールし、貴重なポイントを獲得した。

レース後に行われた車検の結果、上位チームの失格があり、順位が12位から11位へと繰り上げとなった事で、ヨシムラSERT Motulは合計77ポイントを獲得。選手権では4番手につけている。

次のラウンドは9月の16-17日に予定されている、フランスのポール・リカール・サーキットで行われる最終戦、ボルドール24時間。良いポジションでシーズンを終えられるよう、ヨシムラSERT Motulの戦いは続く。

加藤陽平 チームディレクター

今回は日を追うごとにマシンのセットアップが進み、チームの雰囲気も良く、決勝でも良いスタートが切れており、雨が降るまでは完璧なレース運びができていました。我々らしい強さと堅実さで、2番手は手中にあったと思っていましたが……。選手権参戦チームとして安定の強さを維持しなければいけないなかで、この様な小さなミスで表彰台を逃してしまい、本当に残念です。
我々日本人スタッフやヨシムラとしては、選手権で唯一の自国開催となり、スズキ株式会社の皆様を始め、重要なスポンサーやパートナーの方々と時間を過ごすことができましたし、たくさんのファンの前でレースを行い、沢山のご声援を頂きました。それだけに本当に悔しい結果となってしまいました。
今は次のボルドールに集中していきます。

ダミアン・ソルニエ チームマネージャー

レースウィークはほぼ完ぺきに進んでいました。日本側との連携、様々なスタッフと関係者など初めて一緒に仕事する人も多くいましたが、全てがうまく機能していました。レースもグレッグの転倒までは全てが順調だったのです。ただ、こういう時は彼が今日犯した失敗よりも、これまで彼によってもたらされた勝利の数々を思い出すべきなのです。ヨシムラの皆さんや日本のスタッフにトロフィーを贈れなかったのが心残りですが、それならば次戦ボルドールのカップを持ち帰るしかありませんね!

グレッグ・ブラック選手 (ライダー・ブルー)

当然、期待した結果ではありません。スタートは良かったし自分もチームメイトも安定したレースペースを維持しつつ、燃費も上手にコントロールできていました。急な雨でレインタイヤに交換した直後、ヘルメットがスモークバイザーで十分な視界が得られず、白線に乗って転倒してしまいました。この小さなミスが完璧なレースを台無しにしてしまいました。チームの皆に申し訳ない気持ちでいっぱいです。ここでは本当に表彰台に乗りたかった。

シルバン・ギュントーリ選手 (ライダー・イエロー)

完全にコントロール下にあるレースでしたが、雨が降ってきて全てが変わってしまいました。コース上は場所によってウェットの部分とドライの部分が混在していて、走るにもタイヤを選ぶにも難しかったのです。そしてグレッグが難しいコンディションの中で転倒をし、レースリーダーから離されてしまいました。表彰台は確実かと思えていただけにとても残念ではありますが、これもレースです。ただ我々にとってこのシーズンは本当に不運続きであることは間違いありません。シーズンも残すところあと1レースです。次こそはポジティブに走り切りたいです。

エティエンヌ・マッソン選手(ライダー・レッド)

当然、とてもガッカリしています。バイクはパーフェクトでしたし、レース進行も一字一句作戦通りに遂行していました。ピットストップも早かったし、雨が降るまでは本当に全てが完璧でした。しかしハーフウェットの路面は様々な判断がとても難しく、タイヤ選択にも迷いました。あとは……ご存知の通りです。小さなミスで大きな代償を払うことになりました。鈴鹿に来てから、ようやくこれまでの不運を振り払ったかと思っていましたが、それは次戦に持ち越しとなったようです。ボルドールも100%の力で臨みます。それだけは間違いありません。

公式予選 – トップ10トライアル

順位 チーム マシン タイム
1 Team HRC with Japan Post HONDA CBR1000RR-R Fireblade SP 2:05.329
2 YART Yamaha Official EWC TEAM YAMAHA YZF-R1 +0.190
3 TOHO Racing HONDA CBR1000RR-R Fireblade SP +1.014
 
5 ヨシムラSERT Motul SUZUKI GSX-R1000R +1.391


決勝レース結果

順位 チーム マシン 周回数
1 Team HRC with Japan Post HONDA CBR1000RR-R Fireblade SP 216ラップ
2 SDG Honda Racing HONDA CBR1000RR-R Fireblade SP 213ラップ
3 F.C.C.TSR Honda France HONDA CBR1000RR-R Fireblade SP 213ラップ
 
11 ヨシムラSERT Motul SUZUKI GSX-R1000R 211ラップ



ポイントランキング

順位 チーム ポイント
1 F.C.C. TSR Honda France 138P
2 YART – Yamaha Official Team EWC 125P
3 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM 100P
4 ヨシムラSERT Motul 77P
5 Kawasaki Webike Trickstar 65P
6 HONDA VILTAIS RACING 64P
7 TATI TEAM BERINGER RACING 46P
8 ERC Endurance Ducati 38P
9 Team HRC with Japan Post 35P
10 Motobox Kremer Racing #65 30P

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