Rd.3 オートポリス

日程 2018.05.12 , 05.13
サーキット オートポリス (大分)
ライダー #12 津田 拓也 / #26 渡辺 一樹
予選 3位
2位
本戦 11位
6位

絶好の観戦日和の中でART合同走行が行われた。1本目、渡辺は1分49秒326のタイムで3番手につける。津田は1分50秒666で10番手。
午後に行われた2本目。渡辺は48秒台に入れる1分48秒788まで詰めてきた。オートポリスのコースレコードを保持する渡辺、「できればヨシムラに移籍した年にコースレコードを更新したい」と意気込む。津田もタイムアップを果たし、49秒台に入れる1分49秒322。さらにタイムアップを図ろうとした周に転倒してしまいタイムアップは果たせなかったが、総合7番手につける。

迎えた公式予選。この日も朝から気持ち良い晴天。今大会はノックアウト予選方式が採用された。40分間で行われるQ1でエントリー台数28台から上位10台を選出する。11番グリッド以下はQ1の結果が採用される。Q2は15分間。上位10台によるタイムアタック。このQ2でポールポジションから10番グリッドが決定する。

Q1、路面温度はこのレースウィークで最も高い50度を超える。渡辺は1分49秒前半でコンスタントに周回、セッション中盤に1分49秒201のタイムを出してQ1を6番手で通過する。
津田もセッション中盤に1分49秒563を出して8番手につけていたが、Q1のチェッカーフラッグ振られた直後に 1分49秒020をマークして4番手にジャンプアップ、Q1を通過する。

Q2、渡辺は4分が経過してからコースイン、最初のラップでいきなり48秒台に入れる。そして2周目、1分48秒249をたたき出してリーダーボードのトップに立つ。その後も48秒台でラップを重ねて明日への手応えを掴み、予選2番グリッドを獲得する。
津田は1周ラップしてピットイン、タイヤ交換をしてコースに戻る。2周後に自己ベストの48秒台に入れる。そしてQ2もチェッカーが出された後の最後の最後にさらにタイムを詰めて1分48秒437をマーク、予選3番手を獲得する。ヨシムラスズキMOTULレーシングは予選2番、3番グリッドのフロントローをゲット、駆けつけた多くのヨシムラファンを沸かせた。

決勝日は天気予報通り朝から雨。さらに山の天気特有の濃霧に包まれたオートポリス。そのため朝のウォームアップ走行はキャンセルされ、その後レーススケジュールは度々変更され、最終的に11:50から15分間のフリー走行、12:15からスタート進行、12:30に決勝レーススタートとなり周回数は20周から15周に減算された。

フリー走行開始前には雨は上がり、霧も晴れたのだが走行開始から10分で再び濃霧に包まれ視界不良のため赤旗中断で終了となった。このレースウィークで初めてのウェット走行となるためヨシムラの2台は確認のための走行を行った。
路面状況は非常に難しい。乾きつつあるが濡れている部分が多いハーフウェット、グリッド整列時には雨がパラパラと落ちてきた。ヨシムラスズキMOTULレーシングの2台はレインタイヤを選択して決勝レースに臨んだ。

決勝レーススタート、渡辺3番手、津田4番手で第1コーナーに進入、オープニングラップを渡辺3番手、津田5番手で通過する。
渡辺は序盤、中須賀選手(ヤマハ)、高橋巧選手(ホンダ)とトップ争いを展開する。先頭グループと同じ2分フラットのラップタイムで周回を重ね、6周目のホームストレートでは2台を一気に抜き去りトップに浮上する。翌周にはトップを譲るものの、この3台による三つ巴のトップ争いはレース終盤の9周目まで続く。
津田は7周目まで単独5番手走行を続け8周目には4番手に浮上する。

路面状況が変わってくる。スタート時には濡れている部分が多かったが、次第に乾きはじめウェットタイヤでは走行が厳しくなってくる。渡辺は固めのレイン、津田は柔らかめのレインを装着。特に津田は2分2秒秒台をキープするのが精一杯の状況の中11位でチェッカーを受けた。
渡辺は厳しい路面状況の中で踏ん張るものの、スリックタイヤを装着したライダーにかわされて6位でフィニッシュした。

ドライコンディションの予選日までのヨシムラ2台の仕上がりは良いパフォーマンスを見せていただけに、決勝日のオートポリス特有の気候変化に翻弄されたレース結果は非常に残念であるが、次戦SUGOの事前テストから良い走り出しができるように万全の体制で臨む。

津田拓也 選手コメント

金曜日に転倒してしまい予定していたテストメニューをこなせなかったので土曜日の予選はぶっつけ本番に近い状態で徐々にタイムを出していく状況でした。自分の中ではもう少しタイムを出せたかなと思っています。しかし悪い流れにある中で予選3位獲得はポジティブでした。
フリー走行時の路面はまだまだ濡れていたので少し柔らかめのタイヤでセットアップだけすれば行けるかな、と思ったのですが、決勝レースを走り出すと路面は乾いて行き、雨が落ちてくることも想定して柔らかめのタイヤをチョイスしたのですが乾いて行く路面では序盤からタイヤが厳しくなりました。
結果的にはタイヤチョイスを失敗した自分の責任ですが、レース結果はタイヤチョイスの順番になったかなと思います。スリックタイヤが優勝、固めのレインを選んだ一樹と高橋巧選手(ホンダ)、柔らかめのレインを選んだ中須賀選手、野左根選手(ヤマハ)と自分、タイヤ選択通りのレース結果だと思います。
あの時点でスリックタイヤを選択できたか、と言えば難しかったです。開幕戦もてぎでタイヤ選択を失敗したし、予選フロントローだったので自分より上位の中須賀選手に合わせる選択をしました。これが予選下位だったり、フリー走行の走りが全然ダメだったら一発逆転を狙ってスリックタイヤの選択もアリだったかもしれません。
身体の調子はもう大丈夫なので、次戦SUGOの事前テストから良い流れを作れるように準備します。

渡辺一樹 選手コメント

金曜日に総合3番手につけ、良い走り始めが出来たと思います。開幕戦、第2戦で積み上げたデータが活きてきたなと確認が取れました。予選のQ1では少し問題が出たため時間を有効に使えませんでしたが、Q2でキッチリとタイムを出せたことは良かったと思います。ポールポジションの中須賀選手のタイムと比べるとまだ同じ土俵に立てていない感はありますが、ヨシムラの2台が予選フロントローを獲得できたことをみてもチームが成長して良い方向の流れにあると感じました。
決勝レースは天候に翻弄される中でできることをキッチリやろうと考えていました。タイヤの選択は最後の最後まで悩みました。フロントロー3人と後ろにいる二人のライダーがレインタイヤであったのでその中で勝負することを決断しました。トップ争いをしている間は冷静に状況を判断することができて、トップに出るタイミングも中須賀選手の前に出るタイミングも自分で計りながら実行しました。しかし、レース後半、スリックタイヤ勢には抗うこともできず悔しい思いをしましたがレインタイヤを選択したのは自分の判断です。そう言う意味ではチームに申し訳ないことをしてしまったと思っています。
但、非常に難しいコンディションの中でトップ争いができましたし、レースウィーク全体の流れをみても今まで積み上げてきたものがカタチになっているのが見えているので次戦SUGOに向けては非常にポジティブな気持ちで臨めます。

加藤陽平 監督コメント

まだ、課題は残るもののシーズンオフと序盤の2戦に積み上げてきたものが少しずつ良いカタチになってきていると思います。今大会も事前テストもなく、ぶっつけ本番に近い難しいレースウィークの入りでしたが、金曜日の2本の走行で少しずつ前進した結果が予選フロントロー2台獲得に繋がったかな、と思います。
決勝レースではスリックタイヤの選択したチームが有りましたが、よく決断できたな、と言うのが正直な感想です。勿論スリックタイヤの準備は出来ていたのですが、決勝レース終了直後に大粒の雨が落ちてきたところをみても分かるように、あの時点でのスリックタイヤを選ぶ決断は我々には出来ませんでした。津田選手は自分より上位の中須賀選手と同じタイヤで勝負をするという選択をしました。結果だけみればそれは間違いだったのですが、判断としては致し方なかったのかな、と思います。
渡辺選手は序盤に3台でトップ争いを演じてトップにも出て、さらに中須賀選手との勝負になったところで前に出られたことはチームとしても本人としても良い自信になったと思います。
今まではマシンのセットアップに傾注していてタイヤの選択まで行かなかったのですが、セットアップが進んだ事で、他の上位陣と同じタイヤを使えるようになったことも予選で良い結果を出せた一因だと思います。
チーム全体として上昇気流に乗っていると思うので、この調子で上位陣と本当の意味で勝負したいなと思います。

JSB1000決勝 正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 渡辺 一馬 Kawasaki Team GREEN ZX-10RR 29’29.057
2 松﨑 克哉 Kawasaki Team GREEN ZX-10RR +4.581
3 高橋 裕紀 MORIWAKI MOTUL RACING CBR1000RR SP2 +15.547
 
6

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +30.578
 
11

津田 拓也

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +59.896

JSB1000公式予選

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’46.909
2

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +1.340
3 津田 拓也 ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +1.528

JSB1000ポイントランキング

順位 ライダー チーム ポイント
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 112P
2 渡辺 一馬 Kawasaki Team GREEN 99P
3 高橋 巧 Team HRC 84P
4 高橋 裕紀 MORIWAKI MOTUL RACING 80P
5 津田 拓也 ヨシムラスズキMOTUL 68P
6 秋吉 耕佑 au・テルルMotoUP RT 67P
7 渡辺 一樹 ヨシムラスズキMOTUL 65P
8 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 51P
9 清成 龍一 MORIWAKI MOTUL RACING 45P
10 星野 知也 TONE RT SYNCEDGE4413 39P

×