Rd.4 スポーツランドSUGO

日程 2018.06.16 , 06.17
サーキット スポーツランドSUGO (宮城)
ライダー #12 津田 拓也 / #26 渡辺 一樹
予選 予選1: 5位 /予選2: 2位
予選1: 2位 /予選2: 5位
本戦 レース1: 9位/ レース2: 4位
レース1: 10位/ レース2: 5位

全日本ロードレース第4戦が宮城県:スポーツランドSUGOで開催された。
SUGO大会はここ最近セミ耐久レースとして開催されてきたが今年は6年ぶりにスプリントレースとなった。今大会は土曜日に公式予選と決勝レース1、日曜日に決勝レース2開催の2レース制で開催される。

5月30日からSUGO大会に向けて事前テストが行われ、渡辺一樹が1分26秒929とコースレコードまであとコンマ1秒のところまで詰めて3番手、津田も100分の2秒差の1分26秒943で4番手につけ、仕上がりの良さを感じた。

金曜日のART合同走行。前日までは爽やかな晴天であったが朝からどんよりとした曇り空。JSB1000クラス1回目の走行の頃には小雨が降り出し路面はウェットになる。津田拓也は1分38秒489で3番手、渡辺一樹は転倒があったものの1分40秒723で8番手。
午後に行われた2本目は本降り、さらに風も強くなり6月とは思えない寒さとなった。津田は1分39秒890。総合で3番手につける。渡辺は1分39秒台にタイムアップの1 分39秒661。総合で6番手につける。

迎えた公式予選。午後にレース1が開催されるためJSB1000クラスの公式予選は朝9時45分から行われた。天候は曇りではあるものの前日の雨の影響で路面はところどころウェットパッチが残る難しいコースコンディション。セッション序盤は1分33秒付近のタイム。やはり路面は濡れているところが多い。各マシンが走行を重ね、セッションが進むにつれて路面は乾いてくる。それに合わせて津田、渡辺のタイムも30秒を切り29秒台へと上がってくる。しかし合計3回の赤旗中断によりタイムアタックのタイミングを狂わされてしまった。それでも最後のアタックで渡辺が27秒台に入れる1分27秒536で2番グリッドを獲得。津田も27秒台が見える1分28秒022で5番グリッドを獲得する。
今大会は2レース制のため、レース2のグリッドは各ライダーのセカンドタイムによって決定する。津田が1分28秒125で2番グリッド、渡辺は1分28秒313で5番グリッドを獲得する。
ヨシムラスズキMOTULレーシングはレース1もレース2も2番グリッドと5番グリッドからスタートする。

公式予選から約4時間後にレース1が開催された。決勝レース前から再び小雨が落ち始める。ウェット路面になるほどではないがせっかく乾いた路面が再び滑りやすい路面へと変わってしまった。
サイティングラップ中に津田が最終コーナーで転倒、すぐにピットへ戻りTカーでグリッドにつく。しかし今度はウォームアップ走行中のSPアウトコーナーで渡辺がハイサイド転倒、これにより赤旗中断となる。
仕切り直しのレースは減算無しの25周でスタート。予選5番手の津田は4番手で1コーナーに進入、その後2台にかわされて6番手でオープニングラップを通過する。渡辺はスタートでやや出遅れて7番手で1コーナーに進入するが、集団のトラフィックから抜け出せずに12番手でオープニングラップを通過する。
津田は序盤ペースを上げることができず1分32秒台中盤。3周目までは6番手をキープしていたが6周目には12番手までポジションを下げてしまう。渡辺も2周目に33秒に近いラップタイムで14番手に順位を落とす。
8周目以降は2台とも1分29秒台、28秒台にまでタイムを戻し徐々に順位を上げていく。レース中盤には津田と渡辺2台が連なって走行、何回か順位を入れ替え最終的に津田が9位、渡辺が10位でチェッカーを受けた。

翌日の決勝レース2。朝のウォームアップ走行の時間帯には時おり薄陽が射すまで天気は回復、路面はこのレースウィークで初めての完全ドライコンディション。マシンとセッティングの確認を行いながら走行、津田は1分28秒403で5番手、渡辺は昨日の転倒で痛めた身体の確認も行いながら1分28秒605の7番手で朝フリーを終える。

J-GP3クラスと J-GP2クラスで赤旗中断が続き、JSB1000クラスのレーススケジュールは40分遅れの進行となった。午後2時15分、25周によるレース2がスタート。津田は3番手で1コーナーに進入、渡辺はイン側のグリッドから1コーナー進入に向けてアウトへ振ろうとした際に他車と接触しそうになり失速、中位集団に飲まれてしまう。オープニングラップは津田4番手、渡辺12番手で通過する。
津田は1つ順位を落として5番手走行を重ね、一時は離れていた3番手4番手の背後まで追いつき3台による表彰台争いを展開する。そして10周目のホームストレートでかわすと4番手に浮上する。その後も28秒前半から27秒台の安定したラップで周回、13周目には1分27秒669のベストタイムをマークして4位でフィニッシュした。

渡辺は早くも3周目に1分28秒フラットまでペースを上げ、オープニングラップ12番手だったのが5周目には8番手まで追い上げ、3台による6番手争いを展開する、9周目には前の2台よりも1秒速いラップタイムで一気に2台をパスして6番手に浮上する。11周目に1分27秒780のベストラップを刻むと20周目に一つ順位を上げて5番手、そのまま5 位でチェッカーを受ける。

今大会は2人の転倒もあり良い流れが作れなかったが、ドライコンディションではワークスチームに次ぐ位置につけることが確認できている。次戦は8月のツインリンクもてぎであるがその前に鈴鹿8耐がある。鈴鹿8耐でしっかりと結果を残し、後半戦のツインリンクもてぎに臨む。

津田拓也 選手コメント

金曜日は雨でしたが悪くないペースで走り出せました。しかし、状況変化に対応しきれなかったのがトップに離されたり、昨日のレース1にて雨の中でペースを上げられなかったりした要因だと思います。ファクトリーチームと比べても今のところピンポイントなのかな、という印象がしています。昨日のサイティングラップ中に転倒してしまい、良い流れが作れませんでした。その中でも野左根選手の後ろで走りをみて自分の足りない部分が見えたのでそこを活かしてテストや後半戦にパワーアップさせて行きたいと思います。予選は寒い中でちょっと堅い構造のタイヤをチョイスしました。タイヤを機能させるのに何周かする時間が必要だったのですが赤旗で中断されてしまいパフォーマンスを発揮させることが出来ないままに予選が終わってしまいタイムが伸びませんでした。その中でも2番手と5番手グリッドだったので結果としてそんなに悪くなかったのが救いです。ファクトリーチームの3台に比べてスピードが遅れているのが現状の課題です。レース1は雨の中ではペースを上げることが出来ず徐々に順位を落としてしまいました。レース2はドライだったので悪くは無かったのですが単純にトップのファクトリーチームとのタイム差が明らかでした。後半戦のツインリンクもてぎまでにはバイクの改善点を修正して臨みたいと思います。

渡辺一樹 選手コメント

事前テストでいろいろ試すことができて今後のセットアップの方向性も見えました。金曜日は雨が降ってしまいテストの延長で詰めていくことができず残念でしたが雨は雨で課題と解決策が見えました。1本目の転倒の原因も理解してそれを反映させて午後の走行では4番手でしたのでそう言う意味ではセットアップは上手く進められた初日でした。予選は赤旗が多く、タイムアタックやセットアップで入るタイミングと赤旗が重なってしまい、実質アタックできたのは数周でした。その中で2番グリッドと5番グリッドは悪い結果では無いと思っています。
レース1は路面温度が低く小雨も降ってくるという状況で、そのコンディションに対するバイクの変化が顕著に出てしまったと思います。そこの解決策を講じずにSUGO入りしてしまった自分の責任でもあります。
ウォームアップ走行では、思ったよりも速い速度で走行する中でバイクの限界を感じ取ってあげられずに転倒してしまいました。転倒により他車を巻き込んでしまい、ライダー、チームの皆さまに迷惑をかけてしまったことは本当に申し訳ないと思っています。ピットに戻りTカーで出ていったのですが序盤にペースを上げられず、強弱はありましたが霧雨の影響を受けてしまいました。
レース2はドライコンディションで路面温度もかなり上がったのですが、序盤の1周、2周で失ったタイムがかなり大きかったです。セカンドグループの集団の中ではペースは速かったので抜け出せましたが最初の2日間で転倒して痛めた身体の影響も少なからずありましたのであまり無理はできませんでした。
当然結果には満足していませんが、このウィークでバイクの課題、自分のライディングスタイルに起因するネガなどもハッキリ見えてきたので後半戦に向けてマシン造りの精度を上げたいと思います。バイク自体はどんどん進化していますし、予選で2番グリッドを獲得するなどポテンシャルが上がってきていることを証明していると思います。それを決勝の結果に繋げられるようなバイク造りをチームと一緒になって進めていきたいと思います。

加藤陽平 監督コメント

事前テストではヤマハファクトリーに次ぐ3番手4番手で終えることができ、表彰台獲得に向けて良いチャレンジができると考えていました。特に渡辺選手の場合はテストのペースも良く、これまで以上の結果に期待してのウィーク入りでした。しかし渡辺選手は初日の練習走行中に転倒が有り、またレース1のウォームアップ中の再度の転倒により歩く事も難しい状態でのレースとなり、今回も表彰台のチャレンジが出来ませんでした。
対して津田選手は雨、予選ともに慎重に走行を進め、一つずつセットアップを進めていました。レース1では序盤のタイヤの温めに苦労しペースを大きく下げてしまい、中盤以降はペースを持ち直し全体4番手のタイムを記録しましたが、順位的には9番手と非常に悔しいレースとなりました。レース2に向けてはタイヤ選択も含めセッテイングも変更し、改善をする事ができましたが、表彰台を争うには充分ではなく4番手という結果でした。

これまでバイクの開発を急ピッチで行いながらのレースとなり難しい部分も有りましたが、ひとつひとつバイクの課題や問題はクリアーになってきていると感じており、テストや予選結果からも上位のファクトリーチームとの差は少し縮まったのではないかと考えています。今回のレースでは他社と比較する事で課題も明確になりましたので、これから始まる8耐のテスト、レースを経て後半戦に向けて開発を継続しマシンのパフォーマンスを更に上げたいと思います。

JSB1000決勝 レース1正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 36’35.909
2 高橋 巧 Team HRC CBR1000RR SP2 +5.530
3 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +32.225
 
9

津田 拓也

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +58.376
10

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +59.808

JSB1000決勝 レース2正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 36’24.614
2 高橋 巧 Team HRC CBR1000RR SP2 +6.833
3 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +20.808
4

津田 拓也

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +26.833
5

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +37.890

JSB1000公式予選1

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’26.670
2

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +0.866
3 高橋 巧 Team HRC CBR1000RR SP2 +0.918
 
5 津田 拓也 ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +1.352

JSB1000公式予選2

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’26.957
2 津田 拓也 ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +1.168
3 高橋 巧 Team HRC CBR1000RR SP2 +1.173
 
5

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R +1.356

JSB1000ポイントランキング

順位 ライダー チーム ポイント
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 162P
2 渡辺 一馬 Kawasaki Team GREEN 128P
3 高橋 巧 Team HRC 128P
4 高橋 裕紀 MORIWAKI MOTUL RACING 108P
5 津田 拓也 ヨシムラスズキMOTUL 98P
6 秋吉 耕佑 au・テルルMotoUP RT 94P
7 渡辺 一樹 ヨシムラスズキMOTUL 92P
8 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 91P
9 清成 龍一 MORIWAKI MOTUL RACING 71P
10 水野 涼 MuSASHi RT HARC-PRO.Honda 64P

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