Rd.2 鈴鹿サーキット
日程 | 2018.04.21 , 04.22 |
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サーキット | 鈴鹿サーキット (三重) |
ライダー | #12 津田 拓也 / #26 渡辺 一樹 |
予選 | 予選1: 3位 /予選2: 5位 予選1: 6位 /予選2: 6位 |
本戦 | レース1: 7位/レース2: 4位 レース1: 5位/レース2: 5位 |
全日本ロードレース第2戦が三重県:鈴鹿サーキットで開幕した。
開幕戦もてぎは季節外れの寒さと安定しない天候に苛まれ、厳しい闘いを強いられたヨシムラスズキMOTULレーシングであったが、渡辺一樹はレース2で表彰台争いを繰り広げてそのポテンシャルを魅せて4 位、満身創痍で走れる状態ではなかった津田拓也は後半にトップグループと変わらないラップタイムで追い上げて6 位入賞を果たした。
それから2週間、チームは開幕戦で見えた課題の解決に取り組み、レースウィークを迎えた。今大会は四輪レースの国内最高峰Super Formulaと併催される鈴鹿2&4レース。春先の人気レースとして定着している。
また、今大会は鈴鹿8耐への参加権を得るための8耐トライアウトを兼ねているため、エントリー台数74台と非常に多い。そのためAグループ、Bグループの2組に分かれてART合同走行、公式予選が行われる。津田はBグループ、渡辺はAグループで走行する。
金曜日に行われたART合同走行。夏を思わせるような暑さとなる。1本目、Bグループトップに津田の名前が掲示される。タイムは2分7秒222。渡辺はAグループ7位、総合12位の2分8秒743。午後に行われた2本目。気温は高いもののJSB1000クラスでも影響が出るような強風の中で行われた。津田はタイム更新することができず8秒台、渡辺は1秒タイムアップを果たし2分7秒734、Aグループ4番手につける。ART合同走行総合では、津田が3番手、渡辺は7番手につける。
土曜日行われた公式予選。今大会も2レース制のため決勝レース1のグリッドはベストラップタイムで決定。 決勝レース2のグリッドは、セカンドラップタイムで決定する。
Aグループの公式予選は朝8時40分にスタートした。肌寒い空気に包まれていたが予選の終盤には陽が差して瞬く間に気温が上がっていった。渡辺は序盤の3周目にこの週末ベストの2分6秒台に入れると、5周目に2分6秒769のベストタイムをたたき出す。その後もタイムアタックを敢行するも更新ならずレース1の6番グリッドを獲得する。Bグループの予選は太陽が昇り、気温も路面温度も上がってくる状況でスタート。津田は6周目に7秒台に入れると翌周には6秒台に入れて2 分6秒662をマーク。最後のアタックに出るとチェッカーが振られた最終ラップに5秒台に飛び込み2分5秒989。このタイムがフロントロー3番グリッドを獲得する。決勝レース2のグリッドは、津田5番グリッド、渡辺6番グリッドからスタートする。
津田は開幕戦もてぎのハイサイド転倒のケガが完治しておらず、起床時に腰に激痛が走りなかなか起き上がれず、足も腫れて靴が履けない状態の中でレースウィークを迎え、まさに満身創痍の中で獲得したフロントロー、2分5秒台であった。
決勝レース1
朝からの晴天で路面温度はこのレースウィークで最も高い44度まで上昇したコンディションで決勝レーススタート!津田拓也は4番手で1コーナーに進入する。東コースを津田6番手、渡辺一樹7番手で通過、西コースへ入る。津田は130Rでコースオフしてしまいオープニングラップを17 番手で通過。渡辺は6番手通過する。
渡辺は2周目に5番手に上がると3周目に2分6秒704のベストタイムを出すとその後もトップとほぼ同じ6秒台から7秒台中盤のラップタイムで5台による先頭集団の中で上位を伺う。12周目までは上位陣の順位は変わらず、渡辺がシケイン進入で野佐根選手(ヤマハ)をかわして4 番手に浮上してからレースが動き出した。13周目にトップが中須賀選手(ヤマハ)に入れ替わり、その周のシケインで今度は渡辺一馬選手(カワサキ)のインを刺して3番手に浮上する。レース終盤、渡辺、渡辺一馬選手、野左根選手による三つ巴の激しいバトルを展開、ファイナルラップに入る。渡辺は130Rを3番手で走行する野左根選手にパッシングを試みるものの、オーバースピードで進入してしまい止まりきれずオーバーラン、5位でチェッカーを受けた。
オープニングラップで17番手まで下がった津田は後方の集団に飲み込まれてなかなかペースを上げられない。それでも毎周順位を上げて6 周目に2分7秒896のベストタイムを出して猛然と追い上げをかける。しかし身体も痛みから後半はタイムが伸びず2分8秒台で周回、7位でチェッカーを受ける。
決勝レース2
朝からの晴天で朝8時のウォームアップ走行の時点で気温20度を超えていた。津田は2分6秒879で4番手、渡辺は2分7秒545のタイムで6番手につけ、最後の確認を行う。
10時55分に気温23度、路面温度41度のコンディションでの中でスタート。津田はセカンドロー5番グリッド、渡辺は6番グリッドから第1コーナーに向けてスタートを切った。津田は3番手で第1コーナーに進入、オープニングラップを4番手で通過する。渡辺は出遅れてしまい12番手で1コーナーを通過した。
満身創痍の津田は2周目に2分6秒894のベストラップを刻むと2分7秒前半のラップタイムで秋吉選手(ホンダ)との熾烈なバトルを繰り返しながら4位争いの周回を重ねる。
一方、オープニングラップで9番手まで順位を下げた渡辺は2周目に一気に3台をかわして6番手に浮上する。そこで野佐根選手(ヤマハ)と6番手争いを展開、ヨシムラの2台は各所で接近戦を展開、会場に詰めかけたヨシムラファンを沸かせた。
その後も津田と渡辺は2分7秒前半から2分6秒後半のタイムで周回、渡辺はレース終盤の17周目に2分6秒960のベストラップをたたき出すなどレースのアベレージを下げることなく津田が4位、渡辺が5位でチェッカーを受けた。
今大会は前戦もてぎとは違い、コンディションは安定していたが予想以上に気温と路面温度が上がった。それでもヨシムラスズキMOTULレーシングは臨機応変にアジャスト、自分たちの今いる位置を確認することができた。この大会結果を基に更なる高みを目指して次戦オートポリス大会に臨む。
津田拓也 選手コメント
今年からバイクがアップデートされて、去年までの積み重ねが活かせないのがネガ要因ですがそれ以上の進化を感じるのでトップチームへ闘いを挑むスタート地点に立てたかな、と思います。その証が予選タイムで、去年の最終戦の方が条件は良かったはずなのに1秒近く速くなり2分5秒台に入れることができました。決勝レースも去年よりもアベレージタイムを上げることができましたのでその点に関してはポジティブです。まだ開発の積み重ねができていないので「自分が何をしたいか」を見つられていませんが、マシンが進歩していることを感じられたのは大きいと思います。
前戦もてぎのハイサイド転倒で骨折はしませんでしたが、骨と筋肉の間が腫れてしまったので神経を圧迫して腰の周りに激痛が走り、今大会は自分の身体を思うように使えなかったです。レース1では身体の痛みに加えてオープニングラップで外に飛び出てしまい、そこからの追い上げを図りましたがキチンとしたレースとは言えませんでした。レース2はトップの3台の序盤のペースが2分6秒前半に対して自分は6秒後半だったので、そこから上げようとしてもミスをするリスクが大きく差が開いてしまいました。マシンのレベルが上がってきているのは確実だと思うのですが、スタート直後の瞬発力など今後の課題もまだ多くあります。それ以前にまずは身体を万全にしなければトップチームと闘うことはできないので次戦オートポリスまでにはキチンと治したいと思います。
渡辺一樹 選手コメント
正直、レースウィーク初日のセッション1本目は”もてぎと比べても苦労するかな”と思いました。限られた時間の中でどれだけ効率の良い解決策を選ぶか、で迷いましたが、セッションを続けていくうちにタイムも伸びていって手応えを感じました。それでも予選のタイムアタックは上手くいかず、開幕戦ほどトップ争いに絡めないかも、と思っていました。レース1は、トップグループが逃げにかかっていなかったとは言え、先頭集団に入り込むことができたのは「闘うことができないレベルではなく、この位置にいるのだ」と認識することができたので自分の自信に繋がりました。
レース1に向けて何処が足りない、何をどうする、ということを細かく詰めて、限られた時間の中でチームが最大限の対策をしてくれてフィーリングは良くなりました。ですが、レース2はスタートの遅れで全てを失ってしまいました。スタートで上手く前にでることができず、周回事ごとにポジションを上げて行くことはできましたが、そこでロスした時間を取り戻すには距離が離れすぎてしまいました。レース終盤にベストタイムを出せたことで車体のセットアップが進んでいることを実感できましたし、自分も「このバイクの乗り方」をこのウィークで掴めた気がします。次戦のオートポリスに向けてポジティブなレースになったかな、と思います。
加藤陽平 監督コメント
レース1では四輪のラバーの影響があり、そこに戸惑った部分はありましたが、順調に進んできたとは思います。津田選手はもてぎの転倒の影響もあり、しっかり走り込めることができず、もてぎの延長のセットアップを持ってきた部分もあったので、走行時間が足りませんでした。その中で予選タイムが5秒台に入れることができたことでポテンシャルを出せたかなと思いますがアベレージの部分で未知数ではありました。
レース2のトップ2台は速かったですが、3番手争いできる実力はあったと思います。カワサキの渡辺選手と離れたのは我々のペースが遅いわけではなく、ミス等でラップタイムが落ちる度合いの周回数が多かったという理由なのでそこは次に向けての課題だと思います。他方、マシン的には序盤のペースが上がりづらい部分を改善しないと表彰台争いは難しいし、トップ2台が離れていく要因になってしまうので次戦までに解決すべき課題です。
津田選手のレース1はコースアウトもあり、身体の調子もあり、なかなか上手く走れませんでした。この鈴鹿が実質の開幕戦みたいなもので、ちゃんとレース距離を走って、自分たちのペースも見えて、ライバル達との差もわかったと言う意味では良かったかなと思います。
渡辺選手はもてぎのレース2で表彰台争いをして、今回もレース1で「表彰台を獲りに行く」とい意気込みの中で挑んだ結果、最終的には失敗しましたが、あそこで行かなくてはならなかった状況だったので仕方なかったかなと思います。ああいうレースを何回か続けば確実にチャンスは来ると思っています。スタートで遅れてしまいましたが、野佐根選手とほぼ同じペースで走っていたのではペース的には悪くはなかったですし今回の鈴鹿ではしっかりレースができたと思うのでライバル達と闘うスタート地点にたてたかなと思います。
JSB1000決勝 レース1正式結果
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
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1 | 中須賀 克行 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | 38’10.865 |
2 | 高橋 巧 | Team HRC | CBR1000RRW | +1.961 |
3 | 野左根 航汰 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | +7.895 |
5 |
渡辺 一樹 |
ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000R | +9.510 |
7 |
津田 拓也 |
ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000R | +33.059 |
JSB1000決勝 レース2正式結果
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 中須賀 克行 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | 38’01.000 |
2 | 高橋 巧 | Team HRC | CBR1000RRW | +2.128 |
3 | 渡辺 一馬 | Kawasaki Team GREEN | ZX-10RR | +12.708 |
4 |
津田 拓也 |
ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000R | +15.178 |
5 |
渡辺 一樹 |
ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000R | +15.878 |
JSB1000公式予選1
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 中須賀 克行 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | 2’04.876 |
2 | 高橋 巧 | Team HRC | CBR1000RRW | +0.589 |
3 | 津田 拓也 | ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000R | +1.113 |
6 |
渡辺 一樹 |
ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000R | +1.893 |
JSB1000公式予選2
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 中須賀 克行 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | 2’05.102 |
2 | 高橋 巧 | Team HRC | CBR1000RRW | +0.594 |
3 | 野左根 航汰 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | +1.296 |
5 | 津田 拓也 | ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000R | +1.560 |
6 |
渡辺 一樹 |
ヨシムラスズキMOTUL | GSX-R1000R | +1.771 |
JSB1000ポイントランキング
順位 | ライダー | チーム | ポイント |
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1 | 中須賀 克行 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | 100P |
2 | 渡辺 一馬 | Kawasaki Team GREEN | 74P |
3 | 高橋 巧 | Team HRC | 66P |
4 | 高橋 裕紀 | MORIWAKI MOTUL RACING | 60P |
5 | 津田 拓也 | ヨシムラスズキMOTUL | 58P |
6 | 秋吉 耕佑 | au・テルルMotoUP RT | 58P |
7 | 渡辺 一樹 | ヨシムラスズキMOTUL | 50P |
8 | 野左根 航汰 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | 43P |
9 | 清成 龍一 | MORIWAKI MOTUL RACING | 40P |
10 | 前田 恵助 | YAMALUBE RACING TEAM | 36P |