Rd.8 岡山国際サーキット

日程 2016.09.24 , 09.25
サーキット 岡山国際サーキット (岡山)
ライダー 津田 拓也
予選 予選1:3位/ 予選2:2位
本戦 レース1:2位/ レース2:14位

全日本ロードレース第8戦が岡山県・岡山国際サーキットで開催された。
熊本地震の影響でオートポリス大会(第4戦、第7戦)が中止となり、開催数が減少したため、岡山大会が2レース制(9月24日(土)レース1、25日(日)レース2)となった。
ヨシムラ スズキ シェルアドバンスの津田拓也は開幕戦から全戦で表彰台に立ち、シリーズランキング2位で来ている。鈴鹿8時間耐久ロードレースでも3位表彰台を獲得し、その流れのまま全日本ロードレース終盤戦に持ち込みたいところである。
レースウィーク前週の事前テストはドライながらもハッキリとしない天候となり、津田は初日トップ、2日目は2番手でテストを終えた。路面が良くない状況の中でもいろいろと試す事ができたテストであった。
レースウィークは木曜日に特別スポーツ走行が行われたが生憎の雨。金曜日に2本行われたA.R.T合同走行の1本目はまたしても雨。2本目の午後にドライ路面となり1分29秒483の2番手タイムでにつけた。

▼9月24日(土)公式予選
公式予選は「ノックアウト形式」で行われた。40分間のQ1セッションでまずはレース1のグリッドを確定。計時上位10人のライダーはQ2セッションに進み、レース2のグリッド獲得に向けて争われた。予選日は前日までの不安定な天候から一転、朝から太陽がふり注ぐ好天となり、まずは朝9時30分に40分間のQ1セッションがスタートした。津田は精力的に22ラップを周回、1分29秒497のタイムでQ1を3番手で通過、レース1の3番グリッドを決めてQ2に駒を進めた。
Q2のトップ10チャレンジでは、津田はコースインして3周目に昨年の予選タイムを上回る1分28秒617と、このウィークでベストとなる28秒台で2番手につけ、レース2の2番グリッドを獲得した。

▼9月24日(土)決勝レース1
公式予選から約4時間後の午後3時5分、夏のような太陽が照りつける暑さの中、決勝レース1がスタートした。
1コーナーが近い岡山ではイン側スタートが若干不利となるので津田はスタートでアウト側に寄せるが野左根航汰選手(ヤマハ)に僅かにかわされ3番手で第1コーナーに進入する。オープニングラップは中須賀克行選手(ヤマハ)が制し、津田は3番手で通過する。レース序盤、ヤマハの2台に先行されてしまうも、津田は1分29秒台を連発、4周目には1分29秒527のベストタイムで前を追う。後方から高橋巧選手(ホンダ)に迫られつつも慌てることなく自分のペースを守る津田。ここで2番手の野左根選手のペースが上がらなくなるとみるやじわりじわりとその差を詰めていき、10周目の第1ヘアピンで野左根のインを刺して2番手に浮上、しかし直後のリボルバーコーナーで抜き返される。ここから、津田と野左根選手の接近戦となり、至るところで抜きつ抜かれつを繰り返し、結果的にラップタイムが遅くなってしまった。その間に渡辺一樹選手(カワサキ)も2番手争いに追い付き4台の集団となった。
しかし津田は冷静にレース展開を読み、1分30秒前半から中盤のタイムで安定してラップを重ねて渡辺選手の追撃を抑えて2位でチェッカーを受けた。

▼9月25日(日)決勝レース2
好天の土曜日から一転、太平洋上に発生した台風17号の遠い影響で湿った空気が流れ込み、朝からどんよりと曇空となった。夕方から雨が降り出すという予報が早まり、午前中から雨が落ちだし、降ったり止んだりを繰り返した。
14:10スタート予定のJSB1000クラス決勝は、スタート進行中に再び雨が落ち始めウォームアップ走行中に赤旗掲示となった。一度ピットにマシンを戻すこととなり、この赤旗掲示により2周減算の22周の決勝レースとなった。
またこの時ウェット宣言が出されたが、チームはヘビーウェット路面用ではないレインタイヤをチョイスした。
サイティングラップ再開直前に再び雨脚が強くなり、コースはみるみるウチにウェット路面となった中、約30分遅れの14:41、JSB1000クラス決勝がスタートした。
スタート直後の津田はペースを上げることができず、オープニングラップを9番手で戻ってくる。ここ岡山は路面のグリップが悪く、このようなコンディションにおけるタイヤチョイスが非常に難しい。ヨシムラが選んだタイヤはこれから乾く方向に向かう、ということを前提としたタイヤであったので、雨脚がここまで強くなりヘビーウェット路面となってしまってはペースを上げることができない。津田はその後も順位を落としてしまい、14位でフィニッシュした。
次戦はいよいよ最終戦の鈴鹿。鈴鹿も2レース開催となる。有終の美を飾るべく、チームは万全の体制で臨む。

津田拓也 選手コメント

事前テストから調子は悪くなかったのですが、路面コンディションが変わるのでその状況に合わせるのに時間を要してしまった感じです。予選ではもう少しタイムが伸びると思ったのですが、でもバランスの良いマシンに仕上がっていると思います。レース1で2位に入れたことは良かったと思います。但、野左根航汰選手とのバトルでタイムが遅くなってしまい後続のグループに追い付かれてしまいました。一気に抜いて差をつけなければいけなかったのですが逆にスタート直後、ヤマハ勢に差をつけられてしまいました。序盤のペースを上げることが課題です。
レース2は 自分のタイヤ選択判断ミスが敗因です。最初のウォームアップを走った感じでタイヤを選択してしまいました。サイティングラップ再開前、雨脚が強くなってきたときにタイヤを再度変更することも一瞬頭を過ぎりましたがその勇気がありませんでした。その時点でチームに対してタイヤ交換を強く主張しなかった自分のミスです。
レースウィークの初日からレース1まで良い感じで流れてきたのでその流れに乗りたかったのですが、状況がコロコロ変化する中で先を見ず現状だけで判断していたのがまずいと思います。ミスはしないにこした事は無いのですが、レースをしなければわからないことも見えてきます。その失敗を繰り返さずに自分達のステップアップとして捉えて、万全の体制で最終戦鈴鹿に臨みたいと思います。

加藤陽平 監督コメント

岡山はちょっとの温度差や路面コンディションの差でオートバイに違いがでてしまう難しいコースで、過去2年間連続リタイアしているので、そう言う意味では事前テストからレースウィークまで順調にこなしていました。但し、予選だけを振り返ると思ったようにはいきませんでした。Q2の1分28秒6は柔らかいタイヤで出したタイムですし、4月に走行したときは決勝用タイヤで28秒7位までいっていましたし、事前テストで29秒フラットまでいけたのにQ1で29秒中盤くらいしか出ませんでした。ですが、総じて去年に比べれば全然良い内容でした。
昨年の決勝レースでは序盤29秒台で周回した後に30秒台後半への落ち幅が大きかったのですが、今年のレース1では落ちても30秒台前半であったのでそこは良かったかなと思います。但し、1周目に野左根選手に1秒半近く差をつけられて遅れてしまったのは課題ですね。そこでキッチリと(野左根選手を)抑えていればその後のゴチャゴチャしたバトルはしなくて済んだと思います。
レース2は タイヤ選択が全てでした。今日は非常に不安定なコンディションで、当然天気情報を見てはいたのですがチームの中で自信を持って決断できる人がいませんでした。自分も辻本さんもサイティングラップ再開直前の雨脚の強さにヘビーレインタイヤの交換がアタマをよぎったのですが、そこまで踏み込めませんでした。 チームとして適切な判断が下れば良かったと思っています。
最終戦鈴鹿では、2位が実力で掴める位置にいるのであればしっかりと実力を出し切ってランキング2位を取りたいと思います。今回中須賀選手の連勝が止まりましたが、最終戦ではもう一度チャレンジして我々の手で倒したいなと思います。

辻本聡 氏コメント

レースが始まる前に決まってしまった。今日の天候をみれば雨が降っては止むを繰り返していたし、グリッド整列時の路面をみてヘビーレイン用ではないタイヤを選択してしまった。
ピットロード出口が30秒しか開かないクイックスタートの状況でピットスタートになっても良いのでタイヤ交換をさせる覚悟ができなかった。
タラレバであるが、あそこでチームとしてタイヤ交換する指示を出すべきであったと反省している。
チーム戦略云々ではなく選択で決まってしまった。むしろあのタイヤでよく走ったと思う。
今回の2レース制は良いと思う。走って何かあればその日の気温、路面状況、コンディションに合わせてアジャストできる。
事前テストは、所詮テストに過ぎず、一週間も経てば状況はガラリと変わってしまう。
また、レースをしなくては判らない事も多々出てくるので、今大会は良い勉強になった。

JSB1000決勝 レース1正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 36’01.585
2

津田 拓也

ヨシムラスズキシェルアドバンス GSX-R1000L6 +13.078
3 渡邊 一樹 TeamGREEN ZX-10R +13.784

JSB1000決勝 レース2正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 山口 辰也 TOHORacing CBR1000RR 39’12.313
2 高橋 巧 MuSASHi RTハルク・プロ CBR1000RR +35.920
3 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 +48.097
 
14

津田 拓也

ヨシムラスズキシェルアドバンス GSX-R1000L6 1 Lap

JSB1000公式予選 Q1

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’28.513
2 高橋 巧 MuSASHi RTハルク・プロ CBR1000RR +0.915
3

津田 拓也

ヨシムラスズキシェルアドバンス GSX-R1000L6 +0.984

JSB1000公式予選 Q2

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’28.372
2

津田 拓也

ヨシムラスズキシェルアドバンス GSX-R1000L6 +0.245
3 高橋 巧 MuSASHi RTハルク・プロ CBR1000RR +0.407

JSB1000ポイントランキング

順位 ライダー チーム ポイント
1 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 140P
2 津田 拓也 ヨシムラスズキシェルアドバンス 113P
3 山口 辰也 TOHORacing 104P
4 渡辺 一樹 Team GREEN 103P
5 高橋 巧 MuSASHi RT ハルク・プロ 102P
6 野左根 航汰 YAMALUBE RACING TEAM 92P
7 今野 由寛 MotoMap SUPPLY 75P
8 柳川 明 Team GREEN 74P
9 酒井 大作 Team Motorrad39 70P
10 加賀山 就臣 Team KAGAYAMA 66P

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