Rd.3 ツインリンクもてぎ

日程 2016.05.28 , 05.29
サーキット ツインリンクもてぎ (栃木)
ライダー 津田 拓也
予選 2位
本戦 2位

全日本ロードレース第3戦が栃木県:ツインリンクもてぎで開催された。
関東地方で唯一の全クラス開催レースに多くのヨシムラファンが応援に駆けつけた。

金曜日はART合同走行が行われたが朝から雨模様、1本目の走行はウェットコンディション、昼過ぎには雨は上がったもののところどころウェットパッチが残り2本目の走行も完全ドライコンディションとはならなかった。5月上旬に行われた事前テストも初日は雨模様となりドライでの走行時間が少ない状態でレースウィークを迎える事となった。
前回の鈴鹿戦で良い感触を掴んだチームは基本的なセットは変えず、もてぎに合わせた微調整で予選に臨んだ。

▼予選
今大会のJSB1000クラスは「トップ6サバイバル予選」という新たな方式が導入された。
全ライダーがコースインして30分間の計時予選となるQ1から上位3名が自動的にQ3進み、Q1の10位~4位がノックアウト方式で1周につき1名ずつ脱落していき3名を残すQ2。そしてQ1とQ2の各上位3名、合計6名のライダーがコースイン、ノックアウト方式でポールポジションを決定するQ3でグリッドが争われた。
津田はQ1を2番手で通過、Q3進出が決定した。迎えたQ3、津田は1分49秒0~49秒2の安定したタイムで周回して2番手グリッドを獲得した。

▼決勝レース
朝から青空が広がり、気温も路面温度も上昇。
このレースウィークで最も厳しいコンディションとなった。
午後2時25分、23周による長丁場のレースがスタート。津田はスタート直後、2コーナー立ち上がりで右ハンドルが他車と接触、一瞬アクセルを戻した隙に4番手に下がってしまう。しかし、最終コーナーで渡辺一馬選手(ホンダ)をかわして3番手でオープニングラップを通過する。
4周目に野左根航汰選手(ヤマハ)にかわされ、1つ順位を下げたが慌てることなくコンスタントに1分50秒台後半で周回を続ける。レースは中須賀選手(ヤマハ)がトップを独走。2位争いを4台で繰り広げる熾烈な展開となった。
13周目、新型マシンを投入した渡辺一樹選手(カワサキ)にかわされた後、5番手を走行。コーナーで抜くもののストレートで抜き返されることを繰り返す中で冷静に状況を分析、自分の方が速いペースと判断すると渡辺選手の後方でパッシングポイントを見極めながらチャンスをうかがう。
レースも残すところあと2周、21周目の順位は2番手渡辺選手(カワサキ)、3番手野左根選手(ヤマハ)、4番手津田。ここで津田はレース終盤の22周目にベストタイム1分50秒558をたたき出しファイナルラップを迎える。野左根選手まで0.584 秒、渡辺選手まで0.841秒の差があったが、最終ラップの130Rで仕掛けると決めていた津田は、その130Rで渡辺選手をかわすと、その先のS字で野左根選手をかわし、2番手浮上。そのままチェッカーとなり開幕戦に続き2位表彰台を獲得した。
ファクトリーマシンに比べればその差はまだ大きいが、今大会の2位表彰台は、チームとライダーが一体となって闘った結果と言える。

津田拓也 選手コメント

今回の2位表彰台はチームがバランスの良いバイクを造ってくれたから獲得できたと思っています。
事前テスト初日は雨でタイムアタックはできませんでしたが、走り込んだ結果、バランスの取れたバイクを造るためのデータがとれ、金曜日のART合同走行も天候が不安定でしたが落ち着いて走ることができました。
そのバイクおかげで多少無理できるところもあり、最終ラップ・最終コーナーまで攻めきれたことが今回の結果につながりました。
今回自分の反省点は、スタート直後の他車との接触で前に出られず渡辺一樹選手を前に出させてしまったことです。コーナーでは抜けますがストレートで抜き返されることを繰り返すうちに自分のペースで走れなくなったので一度離れることにしました。
レース後半、自分の方が速いペースなのはわかっていたので最終ラップの130RからS字で抜くと決めていました。それがうまく決まって良かったです。
YZF-R1、新型ZX-10Rと我々のマシンの差は大きいと思いますが、最大限マシンのポテンシャルを上げてくれるチームに感謝しかありません。
その努力に報いるためにも自分がしっかり走らなくては、という高いモチベーションに繋がっています。
次回のSUGO戦は更にレベルを上げて臨みたいと思います。

加藤陽平 監督コメント

昨年のモテギ戦績が散々だったので自分に言い聞かせること含め「今回は仮に何か問題が出ても地に足をつけてやろう」とチーム全員で共有しました。
天候が不安定な事前テストでは、ロングランの中で問題出しをしたことで、鈴鹿戦からは大きくセッティングを変えていませんが、更にリアサスペンションについて理解が進み、比較的順調なテストを行う事ができました。
そう言う意味では着実に一歩一歩前に進んでいると思います。

予選では49秒フラットに近い前半で走ってくれたことは嬉しいサプライズでした。この調子ならトップ争いができるかも、と思いましたが決勝日のコンディションがあまりにも違い難しくなってしまいました。
更に、ヤマハ、カワサキのファクトリーマシンと絡んでレースをすることになり、改めてマシンの状態・レベルにかなりの開きがあることを痛感しました。その中で拓也は本当によく頑張ってくれて2位表彰台をもぎ取ってくれました。今回はライダーが頑張りましたが、次回は我々がもっと良いマシンを提供出来るようにしたいと思います。
また今回のレースでは拓也が非常に冷静でした。そうでなければあの最終ラップの走りは無かったと思います。
そこが昨年からの成長ではないかと思います。

ヨシムラ スズキ シェルアドバンスレーシングチームはこれからも挑戦を続けます。
次回、SUGO戦の応援もよろしくお願い致します。

JSB1000決勝レース正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 42’23.038
2

津田 拓也

ヨシムラスズキシェルアドバンス GSX-R1000L6 +20.083
3 野左根 航汰 YAMALUBE RACING TEAM YZF-R1 +20.274

JSB1000公式予選

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’48.460
2

津田 拓也

ヨシムラスズキシェルアドバンス GSX-R1000L6 1’49.093
3 渡辺 一樹 Team GREEN ZX-10R 1’49.307

JSB1000ポイントランキング

順位 ライダー チーム ポイント
1 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 60P
2 津田 拓也 ヨシムラスズキシェルアドバンス 54P
3 野左根 航汰 YAMALUBE RACING TEAM 48P
4 柳川 明 Team GREEN 46P
5 渡辺 一樹 Team GREEN 41P
6 山口 辰也 TOHORacing 40P
7 高橋 巧 MuSASHi RT ハルク・プロ 39P
8 今野 由寛 MotoMap SUPPLY 33P
9 秋吉 耕佑 au & テルル ・ Kohara RT 29P
10 酒井 大作 Rosetta Motorrad39 28P

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