全日本ロードレース選手権 Rd.1 スポーツランドSUGO

日程 2020.08.09 , 08.10
サーキット スポーツランドSUGO(宮城)
ライダー 渡辺 一樹
予選 予選1:5位
予選2:5位
本戦 レース1:リタイヤ
レース2:3位
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔み申し上げますとともに、罹患された方々には心よりお見舞い申し上げます。

新型コロナウィルスの感染拡大の影響により全日本ロードレース選手権は大幅なスケジュール変更となり、今回の菅生戦が4か月遅れの開幕戦となった。
ヨシムラスズキMOTULレーシングチームは実戦形式でのマシン開発の一環として急遽全日本ロードレースSUGO大会にスポット参戦することとなった。
鈴鹿8耐事前テストとSUGOの事前テストは行ったものの、レースウィークを迎えるのは約9ヶ月ぶり。チームもスタッフもライダーも久しぶりの感触を思い出しながらすぐに順応する。
ライダーは昨年に引き続き渡辺一樹。3シーズン目のジョイントとなる。2017年にモデルチェンジしたGSX-R1000 は今シーズンで4年目となるがヨシムラチューニングを施したヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R L9はさらに熟成を進める。

全国的に梅雨明けしたというのに東北地方は台風4号から変わった熱帯低気圧の遠い影響でレースウィーク初日から雨。土曜日のART合同走行2本ともウェットコンディションで開催された。前週に行われた事前テストではウェットコンディションの中、1分38秒台に入れていたのだが、ウィークに入りタイムが伸びず1本目1分42秒069、2本目1分40秒633と本来のチカラを出せずに初日を終える。

▼8/9(日) 公式予選
公式予選は朝から雨。2レース制の今大会は、決勝レース1のグリッドは各ライダーのベストラップタイム、決勝レース2のグリッドはセカンドラップタイムで決定する。ART合同走行では伸び悩んだがチームはしっかりと合わせこんできた。加えて渡辺がマシンやタイヤの使い方を改善し、1分40秒台の走り出しから徐々にペースを上げて行く。ピットに戻りマシンを乗り換えて出ていく。再度マシンを変えて周回を重ねる。14周目に1分38秒台に入れると、17周目に37秒台の1分37秒930を出す。その翌周に1分37秒493のベストタイムをたたき出すとレース1、レース2共に5番グリッドを獲得する。

▼8/9(日) 決勝 レース1
同日の午後3時、決勝レース1が開催された。事前の天気予報では午後には雨が上がるはずだったが、止むことはなくウェットコンディションでの開催となった。
5番グリッドの渡辺はオープニングラップを6番手で戻ってくる。3周目に4番手まで順位を上げると前を走る水野選手(ホンダ)、清成選手(ホンダ)の追撃態勢に入る。この時の渡辺のラップタイムは1分37秒台。6周目には1分37秒361のベストタイムをマーク。その後も前を走るライダーよりもコンマ2秒?コンマ4秒速いタイムで周回を重ね、その差はぐんぐん縮まっていった。10周目には清成選手のすぐ背後まで迫りテール・トゥ・ノーズのバトルを展開する。しかしその矢先の11周目、110Rで転倒を喫してしまう。ペースも良く表彰台も見えていただけに残念であった。

▼8/10(月) 決勝 レース2
レース2決勝日はそれまでの雨が嘘のような好天。このレースウィークで初めてのドライだが、セットをうまく決めて朝のフリー走行では1分28秒198の2番手タイムをマークした。
レース2スタート時には気温は33度まで上昇する酷暑。ウォーミングアップ走行を終えてグリッド整列した時点でスタートディレイ。コース上広範囲に液体が出たためその処理のために約20分間中断した。1周減算の24周でスタートが切られた。渡辺は上手いスタートを決めて5番グリッドから3番手で1コーナーに進入、オープニングラップを3位で通過する。2周目の馬の背コーナーで2番手に浮上すると3周目に1分28秒155のベストタイムをマークする。その後も1分28秒前半から中盤のタイムで周回を重ねる。トップを走る野左根選手(ヤマハ))の1分27秒台には届かないものの、水野選手(ホンダ)、清成選手(ホンダ)と中盤から後半にかけて2番手争いを展開し、3位表彰台を獲得した。
マシン開発の一環として参戦した今大会で表彰台を獲得することでマシンのパフォーマンスの高さは証明できた。鈴鹿8耐まであと3ヶ月。残された時間の中でマシン開発を進めていく。

 

渡辺一樹 選手コメント

SUGOのスポット参戦はマシン開発の一環としての参加でした。
今回のマシンの基本は去年の最終戦である鈴鹿仕様のマシンですが、主要部品から細かい部品に至るまでこれまでに開発を進めてきたパーツを投入しています。鈴鹿からここSUGOに持ってきても大きな問題が出ずにしっかりと対応できているということは、将来的に“どこのサーキットでもしっかり走れる”セットアップを造れている、と自分の中で手応えを感じています。但、そこから勝つための “詰めしろ”という部分ではレース1もレース2も詰め切れませんでした。
レース1はペース的に余裕がある中での転倒だったのでとても悔しいです。
今回のように転倒者が多く出たレースコンディションにおいて、如何にリスクを減らす走りができるかを問われる中で、転倒を喫してしまったことは反省点です
レース2で前日のミスを挽回できたかどうかわかりませんが、及第点はもらえたのではないかなと思っています。

 

加藤陽平 監督コメント

今回はマシン開発をメインにスポット参戦しました。今までのレギュラーシーズンであればレースに勝つことを目的にマシンのセットアップなどを詰めていきますが、今回はテスト車輌の評価がメインとなり、もっとベーシックなところを詰めていきました。
実は7月の鈴鹿8耐のテストと前週のSUGOテストでは開発エンジンを持ち込みました。加速面等で一定の評価ができたのですが、今回の実戦投入は見送りました。
残念ながら、レース1では2番手争いをする中で転倒リタイヤとなってしまいましたが、翌日のレース2では前日同様に2番手争いを繰り広げ、3位表彰台を獲得してくれたことに感謝しています。
マシン開発の為の様々な制約がある中で、チームとして結果を残せたことは良かったと思います。
まだまだ、1位との差は有りますが、一歩一歩前に進めていきたいと思います。


今大会のST1000クラス出場中に、不慮の事故でお亡くなりになった岩崎哲朗選手のご冥福を心からお祈り申し上げます。
このような悲しい事故が、今後起きないようにチーム一同願っております。

JSB1000決勝 レース1正式結果

順位ライダーチームマシンタイム
1 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 40’45.635
2 清成 龍一 Keihin Honda Dream SI Racing CBR1000RR-R +19.585
3 濱原 颯道 Honda Dream RT 桜井ホンダ CBR1000RR-R +1’16.584
リタイヤ

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000

JSB1000決勝 レース2正式結果

順位ライダーチームマシンタイム
1 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 35’24.998
2 水野 涼 MuSASHi RT HARC-PRO.Honda CBR1000RR-R fireblade +10.044
3

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000 +13.359

JSB1000公式予選1

順位ライダーチームマシンタイム
1 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’36.032
2 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’36.409
3 前田 恵助 YAMALUBE RACING TEAM YZF-R1 1’37.207
5

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R 1’37.493

JSB1000公式予選2

順位ライダーチームマシンタイム
1 野左根 航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’36.273
2 中須賀 克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’36.585
3 清成 龍一 Keihin Honda Dream SI Racing CBR1000RR-R 1’37.490
5

渡辺 一樹

ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R 1’37.930

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