Rd.8 鈴鹿サーキット

日程 2014.11.01 , 11.02
サーキット 鈴鹿サーキット (三重)
ライダー 津田 拓也
予選 予選1 : 9位/ 予選2 : 6位
本戦 レース1 : 6位/ レース2 : 3位

ついに最終戦を迎えた全日本ロードレース。MFJグランプリと銘打って行なわれた最終戦は、JSBクラスのみ2レース制で開催され、MFJグランプリの特別ボーナスポイントとして、各レース3ポイントが与えられるため、ふたつのレースで最大56ポイントが獲得できる。ここまでランキング3位につけているヨシムラスズキシェルアドバンスの津田拓也には、まだチャンピオンの可能性も十分に残されている。

「チャンピオンというより、とにかく1回優勝したいです。せっかくチームがいいマシンを用意してくれていて、自分もいいスピードで走れることができるようになっているので、最終戦は2レースとも優勝を狙って行きたいです。」(津田)

最終戦ということで、レースウィークは木曜スタート。木曜、金曜と合同走行で、土曜が予選、日曜が決勝というスケジュール。木曜のフリー走行を総合4番手で終えた津田は、金曜午前は7番手で終了。午後のセッションはウェットコンディションとなったことで、週末のレースウィークも雨が心配されることとなった。

ノックアウト式で行なわれた土曜の公式予選はやはり雨。全ライダーで行なわれるQ1では、津田は9番手で終了し、これがそのまま決勝レース1のスターティンググリッドとなる。そして、Q1の上位10人が進出して行なわれるQ2では6番手となり、これがそのままレース2のグリッドとなる。

「雨にはやっぱり苦手意識があります。もちろん、チームにきちんとベースデータがあって、そのセッティングで走り出すのですが、そこからマシンをセットして行くのがヘタなんだと思います。このくらいの雨ならばこういうセット、もっとこうならまた違うセットで、という引き出しがまだまだ足りない。決勝はドライで行けそうなので、ドライのセッティングは木曜、金曜でほぼ決まっているので、ドライでレースして、勝ちを狙って行きたいです。」(津田)

迎えた決勝日は、土曜に降っていた雨は止んだものの、路面はまだウェットのまま。津田は朝のフリー走行で、ウェット路面のまま2番手タイムをマークし、決勝レースに臨むこととなった。
路面にまだウェットパッチが残ることからウェットレース宣言が出され、予定の15周から2周減算されて13周で行なわれたレース1。それでも全車スリックタイヤで、レースはほぼドライコンディションといっていい中でスタートする。
3列目からのスタートとなった津田は、スタートでやや順位を上げたものの、他ライダーとの接触などがあり、ジャンプアップできず、1周目を6番手で終了。そこからペースを上げ、4周目には4番手まで浮上。レースは序盤を加賀山(スズキ)がリードしたものの、3周目に中須賀(ヤマハ)がトップに立ち、高橋(ホンダ)、山口(ホンダ)が続いて、そこの後方に津田、というオーダーが続いていく。レース中盤を過ぎると、津田に柳川(カワサキ)、渡辺(カワサキ)が追いつき、津田はオーバーランなどもあって6番手あたりまでポジションをダウン、そのままチェッカーを受けた。

鈴鹿サーキットは、午後になると天候が崩れてしまい、レース2はウェットコンディションでのレース。J-GP2クラスのレースが赤旗中断や天候待ちがあったため、周回数は再び減算されて10周で行なわれることになった。
雨は降り止んだものの、路面はヘビーウェットでのレース2。しかし津田はスタートで好ダッシュを見せ、ホールショットを獲得。勢い余って数台にパスされてしまったものの、苦手意識のあるウェットで、今シーズン最後のレースにかける意気込みを感じさせる。
しかし、1周目を8番手で終えたものの、そこからペースを落とすことなくトップグループへの追撃を開始し、ひとつずつポジションを上げて4周目には5番手まで浮上。さらにペースを落とさず、6周目には渡辺を、そして7周目には山口をパスして3番手まで浮上する。
レースは、トップを走っていた中須賀を8周目にかわした加賀山が優勝し、中須賀に続いて津田は3位フィニッシュ。今シーズン最後のレースを表彰台登壇で締めくくってみせた。

これで2014年シーズンの全日程は終了。津田は優勝こそできなかったものの、ランキングを昨年よりひとつあげて3位でシーズンを終了。ドライ、ウェットともトップライダーの仲間入りを果たしたことを証明できたシーズンとなった。

津田拓也 選手コメント

「レース2は苦手意識があるウェットレースとはいえ、チームがいいセットアップを出してくれて、僕自身もウェットの乗り方を少し変えながら、なんとか自分の中ではベストの雨走行ができたレースになりました。とにかくシーズンを終えて優勝できないままだったのが悔しいです。今年はトレーニングも積んで、スズキのMotoGPマシンをテストする機会もあり、自分でもレベルアップしていることを自覚できる程だったんですが、中須賀 選手、高橋 選手は、さらにもっと進化していて、結局そのギャップを埋められなかった、そんなシーズンでした。コンディションが万全ならば、トップの人たちの仲間入りはできると思っているんですが、そんな状況でばかりレースがあるわけではないし、その『完全なコンディションではない何か』を自分で乗り越えられる地力をもっと上げたいと思います。毎戦いいマシンを用意してもらいながら、優勝やチャンピオンという結果でお返しできず、チームのみなさんにも本当に申し訳なく思っています。ファンのみなさんには、今年も1年応援いただき、本当にありがとうございました。もっと速くなって戻ってきますので、これからも応援よろしくお願いします。」

加藤陽平 監督コメント

「毎年の事ですが、シーズン最終戦となる鈴鹿MFJグランプリは事前テストが無く、また週末を通して天候が不安定で、レースに向けての確認を行っていくと言う通常の進め方からすると少し難しく不安を残したままのスタートとなりました。しかしながらチーム一丸となってセットアップをし、ライダーをバックアップした結果、戦闘力の高い状態で最終戦を迎えられたと思います。レース1ではドライコンディションの中、予選での失敗を挽回すべくハイペースにて周回を重ねましたが、途中で他チームとの接触もあり6位と言う結果でした。しかしながらペース自体はトップグループに匹敵するものが有り、レース中盤での接触と予選の失敗が悔やまれました。レース2は課題となっている雨での走行でした。予選後、拓也と雨でのペース改善についてセットアップとライディング両面から色々と検討し、朝のフリー走行にて非常に良い方向へ進み、レースに於いても決勝中に自己ベストタイムを次々と更新してトップを追いかけていく姿は来期に向け非常に期待のできる内容になったのではないでしょうか。ランキングは昨年より1つ上の3位と言うのは期待した位置とは言えませんが、来年は2つステップアップ出来る様全力で取り組んでまいります。ファンの皆様、ヨシムラ60周年と言う2014年シーズン、ヨシムラスズキシェルアドバンスレーシングチームを応援頂きまして誠に有難うございました。来期2015年シーズンも皆様と共に前進したいと考えております。今後ともご声援宜しくお願い致します。」

JSB1000決勝レース1正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 ヤマハYSPレーシングチーム YZF-R1 28’07.869
2 高橋 巧 MuSASHI RTハルクプロ CBR1000RR +2.784
3 山口 辰也 TOHOレーシングwithモリワキ CBR1000RR +5.221
 
6 津田 拓也 ヨシムラスズキシェルアドバンス GSX-R1000 +11.047

JSB1000決勝レース2正式結果

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 加賀山 就臣 Team KAGAYAMA GSX-R1000 23’13.446
2 中須賀 克行 ヤマハ YSPレーシングチーム YZF-R1 +2.739
3 津田 拓也 ヨシムラスズキシェルアドバンス GSX-R1000 +5.566

JSB1000公式予選1

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 ヤマハYSPレーシングチーム YZF-R1 2’18.697
2 加賀山 就臣 Team KAGAYAMA GSX-R1000 2’19.267
3 藤田 拓哉 PATLABOR DOGFIGHTR YAMAHA YZF-R1 2’20.070
 
9 津田 拓也 ヨシムラスズキシェルアドバンス GSX-R1000 2’21.110

JSB1000公式予選2

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 中須賀 克行 ヤマハYSPレーシングチーム YZF-R1 2’19.803
2 山口 辰也 TOHORacingwithMORIWAKI CBR1000RR 2’19.862
3 藤田 拓哉 PATLABOR DOGFIGHTR YAMAHA YZF-R1 2’19.918
 
6 津田 拓也 ヨシムラスズキシェルアドバンス GSX-R1000 2’20.977

JSB1000ポイントランキング

順位 ライダー チーム ポイント
1 中須賀克行 ヤマハYSPレーシングチーム 187P
2 高橋 巧 MuSASHI RTハルクプロ 152P
3 津田 拓也 ヨシムラスズキレーシングチーム 135P
4 山口 辰也 TOHOレーシングwithモリワキ 128P
5 加賀山 就臣 TeamKAGAYAMA 127P
6 柳川 明 TEAM GREEN 126P
7 渡辺 一樹 TEAM GREEN 119P
8 野左根 航汰 NTSチームノリックヤマハ 96P
9 藤田 拓哉 DOG FIGHT RACING・YAMAHA 90P
10 中冨 伸一 HITMAN RC甲子園ヤマハ 87P

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