Dual Stack

Dual Stackとは

ヨシムラが提案する新しい機構「Dual Stack」

Dual Stackファンネル : 二重の煙突のようなファンネルは、吸気のチューニングに対するヨシムラの研究開発から誕生しました。
従来は高回転域の出力を向上させるためには全長の短いファンネルを、低中回転域でのアクセルワークのツキとレスポンスを向上させるためには、全長の長いファンネルを使用する等、用途に合わせて使い分ける必要がありました。
そこでどうすればそれぞれのファンネルの長所をひとつに融合できるのか、その探求が開発の始まりでした。

Dual Stackのテストは、’05年のヨシムラJSBエンジンでスタートされました。レースでは各々サーキットの特徴があり、低速から高速コーナーまで、様々な状態で最速を競い合いますが、全てのコーナーを速くクリアするには様々なセッティングが必要になります。その1つにファンネル長のセッティングがあり、ロングとショートのファンネルの長所をマルチに取り出すために、長さの異なる2種類をどの様に組み合わせるかという課題に取り組み始めました。
そしてこの最良の組み合わせ方法を研究し、遂に’05年の鈴鹿8時間耐久レースで、この二段構造ファンネルをGSX-R1000 SB仕様に初採用しフロントローを獲得しました。
マルチなセッティングを可能にしたこのシステムのJSBクラスへの採用は、’05年全日本ロードレース選手権第5戦菅生大会からでした。そして、第8戦ツインリンクもてぎ、そして’06年第3戦筑波の優勝へと繋がっていきます。

その後Dual Stackと名付けられたこのファンネルシステムを応用し、市販パーツへのフィードバックを始めました。

Dual Stackの特長

ショートファンネル(高速回転域)とロングファンネル(低中速域回転域)の合体型である2段構造のDual Stackファンネルは1番の特長として吸気効率の高さが上げられます。実際に単構造のファンネルよりも全回転域で上回りながらも、安定した、フラットな性能曲線を描くことができます。
又、その長さ、口径、ファンネル同士の間隔を変更する事により、様々なセッティングがマルチに可能となります。且つ、それぞれのファンネルがお互いに相乗効果をもたらす事により、それぞれ単体で使用する 場合に比べて+αの性能アップを果たします。
(Dual Stackの仕組み参照)

Dual Stackの仕組み

Dual Stackファンネルは、ショートファンネルとロングファンネルのそれぞれの特長+αのパフォーマンスを発揮する仕組みになっています。
各ファンネルがそれぞれの領域のみで作用するのではなく、各ファンネルがお互いに+αの相乗効果をもたらすことによって、燃焼効率のアップ、つまり性能アップをもたらします。

低開度域の場合

1stファンネル

2ndファンネルより吸入される整流された空気にプラスして、負圧の+αの吸気を補助します。それにより通常吸入する以上の空気を取り入れ燃焼する事が出来、低開度域での出力の向上につながります。

2ndファンネル

メインファンネルとして作用し、整流された空気を吸入します。

全開域の場合

1stファンネル

メインファンネルとして作用し、燃焼に必要な量の空気を素早く取り入れます。

2ndファンネル

1stファンネルが吸入することによる負圧の関係で、整流された+αの吸気を補助。
それにより通常吸入する以上の空気を取り入れ燃焼する事が出来、全開域での出力の向上につながります。

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