第38回大会 レースレポート
日程 | 2015.07.24 , 07.25 , 07.26 |
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サーキット | 鈴鹿サーキット (三重県) |
ライダー | 津田 拓也 / ジョシュ・ウォーターズ / アレックス・ロウズ |
予選 | 4位 |
本戦 | 5位 |
2015年の鈴鹿8時間耐久ロードレースが梅雨明け直後の7月23日に開幕した。
当初は台風直撃か、と心配されたが幸運にも進路が逸れて真夏の祭典に相応しい炎天下のもと開催された。
今年のヨシムラ スズキ シェルアドバンスは同チームより全日本ロードレース選手権JSB1000にフル参戦している津田拓也をエースに、WSBKに参戦しているVoltcom Crescent Suzukiからアレックス・ロウズ、BSBに参戦し、今年で4回目のジョイントとなるジョシュ・ウォーターズの3名体制で臨む。狙うはもちろん表彰台の頂点・優勝である。
7月24日(金)公式予選
7月上旬に行われた事前のテストの1回目は雨、2回目は路面温度が一気に高くなった。テストで出てきた課題のピースを組み合わせ、セッティングもレースウィークに入ってから順調に推移しており、ライダーも自信を持って臨んでいる。
公式予選日は朝から晴天、朝から気温が上昇し路面温度も一気に上がった。
今年の鈴鹿8耐はエントリー台数が84台と多いため、A、Bの2組に分かれて予選が行われた。
A組第1ライダー、B組第1ライダー、A組第2ライダー、B組第2ライダー、A組第3ライダー、B組第3ライダーが、各20分ずつ2回走行、合計12回の予選が一日で行われた。ヨシムラ スズキ シェルアドバンスはB組。
第1ライダー:津田拓也、第2ライダー:ジョシュ・ウォーターズ、第3ライダー:アレックス・ロウズで臨む。
10:20からの予選1本目、既に路面温度は53度を超え、かなり厳しい条件の中で津田がコースイン。
しかし、なんとこの高い路面温度で津田は2分6秒958のチームベストをたたき出す。
津田は「路面温度が55度まで上がった状態で出した6秒台なので自分の中では自信を持ってトップ10トライアルに臨む」と士気は高い。
ロウズは事前テストをほとんどドライで走行できなかったのだが、レースウィークに入り、走る度にタイムを上げていく。
公式予選では2本目に2分7秒717の自己ベストをたたき出した。しかし本人はトラフィックに引っかかりとても悔しがっていた。「相変わらずヤマハが速いけど、ピットワーク等のチーム力で十分に勝負できる位置にはついているかなと思う」と加藤陽平監督。ヨシムラ スズキ シェルアドバンスはB組トップで翌日のトップ10トライアルに臨む。
7月25日(土)トップ10トライアル
朝から真夏の太陽が照りつける晴天となり、事前に行われるフリー走行の時点では路面温度が約60度に達した。
その厳しいコンディションの中でヨシムラ スズキ シェルアドバンスは2分8秒885をマーク。
迎えたトップ10トライアルは、津田とロウズの2名で臨む。
先ずは、ロウズがコースインしタイムアタック。
2分7秒144の自己ベストタイムをたたき出し、その時点で暫定2番手のポジションとなる。
次に「自信を持って臨む」と言っていた津田がコースイン。
渾身のアタックはこのウィーク自己ベストの2分6秒516。
自身が出した昨年のポールポジションタイムを上回る速さで4番グリッドを獲得した。
「ポル・エスパルガロ選手(ヤマハ)の6秒フラットのタイムをみて”絶対に5秒台に入れてやる”と少しチカラが入ってしまった」と津田。しかし「マシンはここ数年で一番良い状態で決まっている」と加藤監督。
6秒5のタイムを出せる速さと決勝レースを見据えて決まったセッティングで自信を持って決勝レースに臨む。
7月26日(日)決勝レース
2015年の鈴鹿8時間耐久レースの決勝日は朝から快晴。真夏の天気となった。ヨシムラ スズキ シェルアドバンスは朝のフリー走行では3番手につけ、決勝レースに向けた手応えを感じていた。午前11:30、気温33度、路面温度54度。ルマン方式による8 時間耐久ロードレースの決勝レースがスタートした。ヨシムラ スズキ シェルアドバンスはロウズをスタートライダーに起用。オープニングラップをトップで通過する。一度はトップを奪われたものの、2分9秒台前半から中盤のタイムで周回を重ね、その速さを十分にみせながら25周目トップで津田にライダーチェンジを行う。
同じタイミングでピットインしてきた#634ケーシー・ストーナー(ホンダ)にアウトラップで離されてしまうが、その後ペースアップした津田はC・ストーナーの背後につける。しかし、30周目の130Rでテールと接触しそうになり回避するためにコースアウト、なんとか転倒は免れたが4番手まで順位を下げてしまう。
その直後の32周目にC・ストーナーがヘアピンで転倒。コース上にマシンが残ったため1回目のセーフティーカー(SC)が入る。37周目にSCが解除され、津田は3番手でリスタートを切る。46周目、またもやSCが入り50周目にリスタート。津田はダッシュを決めて2番手に浮上する。53周目、津田がピットイン。2番手でロウズにバトンタッチする。バックマーカーをかき分けながらの走行にも拘わらず、2分9秒から10秒台の走行を続ける。初めての鈴鹿、初めての鈴鹿8耐、ロウズにとって初めてのことばかりだが、その快走により81周目に2位をキープして津田にライダーチェンジをする。その直後、バックストレートにオイルが出ているため3回目のSCが入る。SC解除となったすぐ後のシケインで津田はバックマーカーに追突されて転倒するも、後続とのタイム差があったので2番手でコース復帰。津田の判断でそのまま走行を続ける。99周目、スプーンカーブで転倒したマシンがコース上に残っていたため、本日4回目のSCが入る。このSC導入中にレースは折り返し地点である4時間が経過した。3番手にいた#778ジョシュ・フック(ホンダ)との差がSC導入で詰まってしまうが、102周目にリスタートが切られると、2コーナーでバックマーカーを上手くかわし、さらにS字コーナーでは3台のバックマーカーを絡めてJ・フックを引き離す。
津田は傷ついたマシンにも拘わらず105周目には2分9秒980でラップしてさらに差を広げる。110周目、本日5回目のSCが導入、ここでルーティンのピットインを行い、マシンの修復を行う。その作業に約5分ほど要している間にリスタートが切られロウズは7番手でコース復帰する。残すところ2時間となった151周目の順位はライダーチェンジした津田が5位を走行していた。17:30を回るこの時間帯に津田は2分10秒台を連発、前を行く#94 ヤマハよりも2秒近く速いタイムで周回を重ね157周目にパス、4位に浮上し、164周目に津田からウォーターズへバトンが渡された。レースもいよいよ残り1時間を切った183周目、4位をキープしたウォーターズは最後のスティントを津田へ託し、6位でコース復帰する。津田はライトオン表示が出されてもなお、2分10秒~11秒台でラップを続け5位まで順位を上げるが、残り22分で6回目のSC導入。残り9分でリスタート、そのまま8時間が経過する事となり、ヨシムラ スズキ シェルアドバンスは5位でチェッカーを受ける事となった。